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ギターのメンテナンスを自分で行おうとした際に、

「ジャックのナットが緩んでいるけど、どのサイズのレンチを使えばいいんだろう?」
「パーツ交換に挑戦したいけど、工具選びで失敗したくない」

といった悩みや不安で手が止まってしまった経験はありませんか。ギターに使われているナットは、パーツや製造国によってサイズが異なり、もし不適切な工具を選んでしまうと、ナットの角を潰してしまったり、大切な楽器のボディに傷を付けてしまったりする可能性があります。

特に、ギターのジャックナットの具体的なサイズや、ペグのナットサイズ、ストラトキャスター特有の船形ジャックに適したレンチの選び方など、ピンポイントな情報を探している方も多いでしょう。また、「一般的なレンチのサイズは?」といった基本的な疑問から、「ギター用のスパナとしてモンキーレンチは本当に使えないのか?」、「便利なギター用ボックスレンチとはどんなものか?」、そして「そもそもギター用の六角レンチはどこに売ってるのか?」といった点も、これからメンテナンスを始めたい方にとっては切実な問題です。

ギターのスパナサイズ一覧|ジャックやペグのレンチ選び方
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この記事では、そんなギターのスパナやレンチのサイズに関するあらゆる疑問に対し、専門的な視点から一つひとつ丁寧に、そして分かりやすくお答えします。この記事を最後まで読めば、あなたのギターのジャックやポットの六角ナットのサイズを正確に把握し、自信を持って最適な工具選びができるようになっているはずです。

この記事でわかること

  • ギターメンテナンスに本当に必要なレンチの種類と特徴
  • パーツごとの正確なナットサイズ(ミリ規格・インチ規格の詳細)
  • 初心者でも失敗しないための工具の選び方と購入場所
  • 安全に作業を進めるための具体的な注意点とコツ

ギター用スパナの基本とサイズの選び方

内容
  • ギター用スパナと一般的なレンチの違い
  • ギターにモンキーレンチは使えるのか?
  • 一般的なギター用レンチのサイズは?
  • ギターの六角レンチはどこに売ってる?

ギター用スパナと一般的なレンチの違い

ギターメンテナンスのために販売されているスパナやレンチは、一見するとホームセンターに並んでいる一般的な工具と同じように見えるかもしれません。もちろん、サイズさえ合致すれば一般的な工具でも作業自体は可能ですが、楽器専用に設計されたツールは、デリケートなギターを傷つけることなく、安全かつ効率的に作業を進めるための様々な工夫が凝らされています。

ギター用スパナと一般的なレンチの違い
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その最大の違いは、楽器の複雑で入り組んだ形状に合わせて、アクセスしやすく設計されている点にあります。例えば、ボリュームポットやアウトプットジャックのナットを締めるためのボックスレンチは、パーツから突き出たシャフト(軸)が長くても干渉しないように、レンチ自体が中空構造(ディープソケット)になっています。また、ストラトキャスターの船形ジャックプレートのような狭いスペースにもレンチの先端がしっかり届くよう、ソケット部分の肉厚が通常よりも薄く作られている製品も存在します。

さらに、工具としての目的も異なります。一般的な工具は自動車整備などを想定し、固く締まったボルトやナットを大きな力で回せるように作られています。しかし、楽器のパーツはそれほど強いトルク(締め付ける力)を必要としません。むしろ、締め付けすぎるとポットやスイッチといった電子部品の破損、あるいはギター本体の木部を傷める原因に繋がります。楽器専用のレンチは、あえて長さを短くするなど、過剰な力がかかりにくい設計になっており、オーバートルクを未然に防ぎやすいという大きなメリットがあるのです。

「たかが工具」と侮らず、専用品を選ぶことは、結果的に大切なギターを長く最良の状態で保つための重要な投資と言えます。最初は少し費用がかかるように感じるかもしれませんが、修理代やパーツ代を考えれば、その価値は十分にありますよ。

ギターにモンキーレンチは使えるのか?

一家に一本あると何かと重宝するモンキーレンチですが、ことギターのメンテナンスに関しては、緊急時であってもその使用は基本的におすすめできません。最も大きな理由は、ナットや楽器本体を傷つけてしまうリスクが非常に高いからです。

モンキーレンチは、ウォームギアという仕組みで開口部のサイズを自由に調整できるため、一本で様々なサイズのナットに対応できるのが最大の利点です。しかし、その便利な構造上、どうしてもナットとレンチの間にわずかな「遊び」や「ガタつき」が生じやすくなります。この不完全な嵌合の状態で力を加えてしまうと、レンチが滑ってナットの角をなめてしまい(角が丸く潰れてしまい)、最終的にはどのレンチをかけても回せないという最悪の状態に陥る可能性があります。

また、万が一レンチが滑った場合、その勢いでギターのボディやネックにレンチが直撃し、塗装の剥がれや深い打痕といった、修復が難しい傷を残してしまう危険性も常に付きまといます。

ギターにモンキーレンチは使えるのか?
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モンキーレンチ使用の具体的なリスク

モンキーレンチは便利な反面、ナットを面ではなく点で捉えがちで、密着度が低くなります。特にギターパーツに使われる真鍮などの柔らかい素材のナットや、固く締まったナットを無理に回そうとすると、一度の失敗で角を完全に潰してしまうことも少なくありません。一度なめてしまったナットを個人で取り外すのは非常に困難であり、リペアショップに高額な工賃を払って修理を依頼することになりかねません。「急がば回れ」の精神で、必ずサイズの合った専用のレンチを使用しましょう。

ナットを安全かつ確実に締める作業は、サイズの合ったスパナやボックスレンチを使い、慎重に行ってください。

一般的なギター用レンチのサイズは?

ギターのメンテナンスで使用されるレンチのサイズは、大きく分けて「ミリ規格」と「インチ規格」の2種類が存在します。これは、ギターの製造国によって採用されている単位系が異なるためで、この違いを理解することが工具選びの第一歩となります。一般的に、日本国内で製造されたギターやパーツにはミリ規格が、アメリカ製のギターやパーツ(Fender、Gibson、CTSポット、Switchcraftジャックなど)にはインチ規格が使われていることが多いです。

一般的なギター用レンチのサイズは?
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ご自身のギターがどちらの規格を採用しているか不明な場合は、まず製造国を確認するのが手掛かりになります。ここでは、代表的なパーツで頻繁に使用されるレンチのサイズを表にまとめました。

パーツミリ規格
(主に国産)
インチ規格
(主にUSA製)
備考
ペグ
(ポストのナット)
10mm-ロトマチックタイプで
最も一般的なサイズです。
ポット
(ボリューム/トーン)
11mm1/2インチ
(約12.7mm)
CTSポットなどのリプレイスメントパーツは
ほぼインチ規格です。
ジャック12mm1/2インチ
(約12.7mm)
定番のSwitchcraft製ジャックは
インチ規格です。
ミニスイッチ8mm-トーン回路の増設などで見られます。
トグルスイッチ
(Gibson系)
--専用のギザギザ形状のナット
(ローレットナット)が使われます。

1/2インチのナットに13mmレンチは絶対NG?

1/2インチは計算上約12.7mmなので、13mmのレンチでも一応回せてしまうことがあります。しかし、これはあくまで緊急避難的な使い方であり、推奨される方法ではありません。わずか0.3mmの差ですが、この隙間がナットの角に余計なストレスをかけ、なめてしまう大きな原因になります。長く大切に使う楽器のためにも、インチ規格のパーツには、必ず精度の高いインチサイズの工具を使用してください。もしサイズが分からない場合は、ノギスを使ってナットの平行な2面の距離(二面幅)を計測するのが最も確実です。

ギターの六角レンチはどこに売ってる?

ギターのメンテナンスに必要な六角レンチやスパナは、主に楽器店、ホームセンター、オンラインストアの3か所で購入することができます。それぞれに長所と短所があるため、ご自身の知識レベルや状況に合わせて最適な購入場所を選びましょう。

ギターの六角レンチはどこに売ってる?
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楽器店

最も確実で初心者におすすめなのが楽器店です。PICKBOYFERNANDESHOSCOといった楽器メンテナンスツールを専門に扱うブランドの製品が豊富に揃っています。最大のメリットは、専門知識を持った店員さんに直接相談できる点です。自分のギターのモデル名を伝えれば、それに合ったサイズの工具を的確に選んでもらえますし、楽器専用に設計された使いやすいツールを実際に手に取って確認できます。

ホームセンター

一般的な作業工具として、非常に多種多様なレンチが販売されています。ミリ規格・インチ規格ともにセットで販売されていることも多く、比較的安価に入手できるのが魅力と言えます。ただし、品揃えが膨大なため、ギターメンテナンスという特定の用途に必要なサイズや形状の工具を自力で見つけ出すのは少し大変かもしれません。また、ギター専用品ではないため、「ディープソケット」や「薄型ソケット」といった特殊な形状のものは見つけにくい傾向にあります。

オンラインストア(Amazon、楽天市場など)

国内外のあらゆるブランドの工具を、自宅にいながら探すことができます。ユーザーレビューを参考にしながら性能や価格をじっくり比較検討できるのが最大の利点です。しかし、実際に手に取って品質を確認できないため、サイズや形状を間違えて注文してしまうリスクがあります。特に海外製の極端に安価な工具セットの中には、精度が悪く、かえってナットを傷つけてしまうような粗悪品も紛れているため、購入の際は信頼できるブランドや販売店を選ぶ慎重さが求められます。

メンテナンス初心者の方は、まずは楽器店で定番とされているメンテナンスセット(例えばFERNANDESのSWR-1800など)を購入するのが最も失敗のない選択です。ギターに必要な基本的なサイズが一通り揃っており、品質も確かなので安心して長く使えます。

各パーツ別ギター用スパナのサイズ一覧

内容
  • ジャックナットと六角ナットのサイズ
  • ジャックレンチの選び方
  • ポットレンチに必要なサイズ
  • ストラトのジャックレンチで注意する点
  • ペグの六角ナットのサイズは?
  • 便利なギター用ボックスレンチの紹介
  • 【まとめ】最適なギターのスパナサイズを見つけよう

ジャックナットと六角ナットのサイズ

ギターの数あるパーツの中でも、物理的な負荷がかかることで特に緩みやすいのが、アウトプットジャックの固定ナットです。シールドケーブルを抜き差しするたびに少しずつ力が加わり、気づいたときにはジャックがグラグラになっていることも少なくありません。このジャックナットのサイズは、前述の通り主に2種類に大別されます。

  • 国産ギターやそれに準ずるパーツの場合:
    多くは12mmの六角ナットが使用されています。
  • USA製ギターやリプレイスメントパーツの定番であるSwitchcraft製ジャックの場合:
    1/2インチ(約12.7mm)のナットが標準です。
ギターのジャックナットと六角ナットのサイズ
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ナットが緩んだ状態でギターを使い続けると、ジャック本体がボディ内部で回転し、ハンダ付けされているデリケートな配線がねじ切れて音が出なくなる、という致命的なトラブルに繋がる恐れがあります。特に注意が必要なのは、ナットを締め直す際にジャック本体が一緒に回転してしまう「共回り」です。これを防ぐため、可能であればピックガードやコントロールパネルを外し、内側からジャック本体の側面を手やプライヤーで軽く押さえながら、外側のナットをゆっくりと締めるのが最も安全で確実な方法です。

ジャックレンチの選び方

ジャックナットを締めるためのレンチを選ぶ際には、正確なサイズだけでなく、その形状も非常に重要です。作業のしやすさと安全性を考慮すると、最も適しているのは「ボックスレンチ」「ソケットレンチ」と呼ばれる、ナット全体をすっぽりと包み込むタイプの工具です。スパナのように2面で捉えるのではなく、6面全体で力を均等に加えるため、ナットをなめてしまうリスクを大幅に軽減できます。

ギターのジャックレンチの選び方
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レンチを選ぶ際の具体的なポイントは以下の通りです。

  1. 正しいサイズを選ぶ:
    言うまでもありませんが、これが大前提です。前項を参考に、ご自身のギターに適合するミリまたはインチサイズのレンチを用意しましょう。
  2. 貫通タイプ(ディープソケット)を選ぶ:
    ギターのジャックは、ナットからネジ山(シャフト)が長く突き出ていることが珍しくありません。
    レンチに十分な深さがないと、シャフトの先端がレンチの底に当たってしまい、ナットまで届きません。
    ソケット部分が貫通しているタイプや、深さのあるディープソケットタイプを選ぶと、どのようなジャックにも対応できて安心です。
  3. 扱いやすい長さと形状のものを選ぶ:
    あまりに柄が長いレンチは、意図せず大きな力がかかりやすく、パーツを締めすぎて破損させる原因になります。
    手で軽く締められるくらいのコンパクトなミニレンチや、T字型で指先で回しやすいものがギターのメンテナンスには最適です。

国内メーカーのベストツール社から販売されている「ミニボックスレンチ」などは、コンパクトなサイズ感でソケットが貫通タイプになっており、まさにギターのジャック交換にうってつけだと評判です。価格も手頃なので、工具箱に一つ加えておくと非常に重宝しますよ。

ポットレンチに必要なサイズ

ボリュームやトーンのコントロールに使われているポットの固定ナットも、ジャックと同様に製造国によって規格が分かれています。

  • 国産ギターやアルファ製のミニポットなどの場合:
    11mmが一般的ですが、より小型のミニポットなどでは10mmが使われていることもあります。
  • USA製ギターやリプレイスメントの定番であるCTS製ポットの場合:
    1/2インチ(約12.7mm)が標準サイズです。
ギターのポットレンチに必要なサイズ
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ポットのナットを締める際も、ジャックと同様に「共回り」には最大限の注意が必要です。ポット本体が回転してしまうと、内部の配線がねじ切れたり、アース線が外れたり、隣のパーツや導電塗料が塗られたザグリ壁と接触してショート(音が出なくなる、ノイズの原因になるなど)したりする原因となります。必ずポットの裏側(ザグリ内)にある回り止めの突起や端子部分を手や工具でしっかりと固定しながら作業してください。

また、ナットにアクセスする前には、ボリュームやトーンのノブを取り外す必要があります。手で簡単に引き抜けない固く押し込まれたノブの場合は、無理に力を加えないでください。ギターのボディとノブの間に柔らかい布(クロス)などを挟み込み、その上からマイナスドライバーやギターピックを2本差し込んで、てこの原理で均等に、ゆっくりと持ち上げると、ボディを傷つけることなく安全に取り外せます。専用の「ノブプラー」という工具も市販されています。

ストラトのジャックレンチで注意する点

フェンダー・ストラトキャスターやそれに準じた多くのモデルでは、「船形ジャックプレート」と呼ばれる、舟のような独特な形状のパーツにアウトプットジャックが取り付けられています。このプレートはデザイン的な特徴であると同時に、ジャック部分を保護する役割も担っていますが、メンテナンスの際には少し厄介な存在となります。プレートの縁が壁のように盛り上がっているため、レンチの先端(ソケット部分)が太いと、その壁に干渉してしまい、奥にあるナットをうまく掴めないという問題が発生します。

ストラトのジャックレンチで注意する点
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この問題をスマートに解決するには、以下のような特徴を持つ特殊なレンチが必要になります。

  • ソケットの外径ができるだけ細いもの
  • ソケットの先端部分の肉厚が通常よりも薄く加工されているもの

まさにこのストラトキャスターのメンテナンスのために設計されたと言っても過言ではないのが、CruzTOOLS社のGrooveTech「Jack/Pot Wrench」です。このレンチは、ソケットの側面が薄く削り込まれており、あの船形ジャックの狭い溝にもスムーズにアクセスできるように作られています。さらに、片側が1/2インチ、もう片側が12mmに対応しているリバーシブル仕様のため、これ一本でUSA製と国産の主要なギターのジャックメンテナンスが可能です。

一般的なホームセンターで販売されているソケットレンチセットでは、このストラトのジャックプレートに対応できないケースがほとんどです。無理に作業しようとするとプレートやナットを傷だらけにしてしまう原因になるため、ストラトユーザーの方は専用品の利用を強く推奨します。

ペグの六角ナットのサイズは?

ヘッド側で弦を巻き取る重要なパーツであるペグ(糸巻き)は、ヘッドの表面から六角ナット(通称ペグブッシュ)で固定されています。このナットが緩んでいると、ペグ本体がぐらついてしまい、チューニングが不安定になる原因の一つとなります。

幸いなことに、このペグを固定している六角ナットのサイズは、多くのギターメーカーで10mmに統一されているのが一般的です(ヴィンテージタイプのクルーソンペグなどを除く)。そのため、精度の良い10mmのボックスレンチが一つあれば、ほとんどのギターのペグの増し締めに使用することができます。

ギターのペグの六角ナットのサイズは?
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ただし、作業時には一つ大きな注意点があります。ボックスレンチはペグポスト(弦を巻き付ける軸)の真上から被せて使用するため、弦が張ってある状態では物理的に作業ができません。ペグの増し締めは、弦交換のタイミングで、全ての弦を取り外したきれいな状態で行うのが基本のメンテナンス手順です。もし、どうしても弦を張ったまま作業したい場合は、ESPの「マルチスパナ」のような、横からナットを掴める特殊な形状の工具が必要になります。締め付けの際は、力を入れすぎず、「キュッ」と軽く抵抗を感じる程度で止めておくのがコツです。締めすぎはヘッドの木部を痛める原因になります。

便利なギター用ボックスレンチの紹介

ここまで見てきたように、一本のギターの中には複数のサイズのナットが混在しています。それぞれのサイズに合わせて一本ずつレンチを揃えていくのも本格的で良いですが、メンテナンス初心者の方や、できるだけ手軽に済ませたい方には、複数のサイズが一つにまとまった「複合レンチ」が非常に便利でコストパフォーマンスにも優れています。

便利なギター用ボックスレンチの紹介
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ここでは、多くのギタリストから支持されている定番の製品をいくつか紹介します。

PICKBOY (ピックボーイ) / SC-150BX

Y字のユニークな形をした非常にコンパクトなレンチで、3つの先端がそれぞれ異なるサイズのボックスレンチになっています。対応サイズは10mm、12mm、13mmの3種類。ギターのメンテナンスで最も多用されるサイズが効率よく集約されており、これ一つでペグ、国産ジャック、そして13mmは1/2インチ(12.7mm)のナットにも(あくまで応急処置としてですが)対応可能です。非常に軽量でかさばらないため、ギグバッグに一つ忍ばせておけば、ライブ前の急なトラブルにも対応できる、お守りのようなツールと言えるでしょう。

FERNANDES (フェルナンデス) / SWR-1800

こちらは3本の両頭ボックスレンチがセットになった製品です。それぞれのレンチが両端で異なるサイズ(8mm/10mm・11mm/12mm・13mm/14mm)に対応しており、合計6サイズを網羅的にカバーできます。国産ギターのメンテナンスであれば、ほぼこのセットだけで完結すると言っても過言ではないほどの対応範囲を誇ります。自宅でじっくりと本格的なメンテナンスを行うために、最初に常備しておく工具として非常に心強い存在です。

これらのギター専用に開発された複合レンチは、必要なサイズが効率よくまとめられているだけでなく、楽器を傷つけにくい適度な長さや形状に設計されているのが大きなメリットです。工具選びに迷ったら、まずはこうした多くのユーザーに選ばれている定番品から試してみることを強くおすすめします。

【まとめ】最適なギターのスパナサイズを見つけよう

この記事では、ギターのメンテナンスに不可欠なスパナやレンチのサイズについて、パーツごとの規格や選び方のポイントを詳しく解説してきました。最後に、今回の重要な内容をリスト形式で振り返り、知識を整理しましょう。

  • ギターメンテナンスにはデリケートな楽器を傷つけにくい専用工具が最適
  • ナットの角をなめる致命的なリスクがあるためモンキーレンチの使用は絶対に避ける
  • ギターのナットには製造国に応じたミリ規格とインチ規格の2種類が存在する
  • 国産ギターのジャックナットは主に12mmが使われていることが多い
  • USA製のSwitchcraftジャックやCTSポットは1/2インチ(約12.7mm)が標準
  • ペグをヘッドに固定している六角ナットは10mmが最も一般的なサイズ
  • ストラトキャスターの船形ジャックには先端が細い専用レンチが必要
  • レンチはナットを6面で確実に包み込むボックスタイプが最も安全で確実
  • シャフトが長いパーツに対応するため貫通タイプやディープソケットを選ぶのが賢明
  • サイズが不明な場合はノギスなどの測定工具でナットの二面幅を正確に測る
  • 工具は専門知識が得られる楽器店や品揃え豊富なオンラインストアで購入できる
  • 複数サイズが一体化した複合レンチは初心者にも扱いやすくコストパフォーマンスが高い
  • PICKBOYやFERNANDES、CruzTOOLSといったブランドの製品は定番で信頼性が高い
  • 締めすぎはパーツや木部の破損に直結するため適度な力加減を常に心がける
  • 定期的な点検と増し締めを行い愛器を常に最高のコンディションに保とう

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この記事を書いた人
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とっしー
運営者のとっしーです。DIY歴は20年超。数々の失敗から得た経験を元に、工具のレビューや初心者がつまずくポイントを丁寧に解説しています。あなたの「最高の選択」を全力でサポートします!
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