FlexiSpotの電動昇降デスク、ついに買っちゃいましたか!在宅ワークやPC環境を劇的に改善してくれる、本当に素晴らしいアイテムですよね。
でも……いざ購入を決意して、玄関にドンッ!と巨大でめちゃくちゃ重い段ボールが届いた瞬間、「うわ、これ本当に自分で組み立てられるのかな…?」って圧倒されて、不安を感じている方も多いんじゃないでしょうか。
特に、E7やE8、E7 Proといった人気の上位モデルは、モニターアームや重いPC本体をしっかり支えるために、強固でずっしり重い鉄製フレームが使われています。さらに、インテリアとしても美しい(そしてお値段も張る!)デリケートな天板を、自分自身の手で組み合わせていく必要があるんですよね。
そこで誰もが一度はぶつかる壁が、「果たして電動ドライバーは必要なの?」「手動の六角レンチだけで気合でいけるの?」という工具選びの悩み。そして、「ネジって、どのくらいの力で締めれば正解なの?」というトルク管理の疑問です。
ネットのレビューを見ていると、「奮発して買った高価な竹天板を割ってしまった…」「ネジを力いっぱい締めすぎたら穴がバカになって、天板が固定できなくなった…」といった、思わず青ざめるような悲痛な失敗談もチラホラ見かけますよね。
でも安心してください。これらは決して製品の不具合ではなく、適切な工具選びと「ちょっとしたトルク管理の知識」さえあれば、実は100%防げる事故なんです。
残念ながら、公式の説明書には組み立ての手順は丁寧に書かれていても、「この素材には何ニュートンメートルの力で締めてください」なんていうマニアックな技術情報までは載っていません。
実は、この説明書には書かれていない「素材ごとの適正な力の入れ具合」や「工具の正しい使い分け」こそが、デスクを長く安全に、そして昇降時のきしみ音なく使い続けるための隠れた鍵になるんですよ。
この記事では、これからFlexiSpotを組み立てるあなたが、途中で迷わず、そして絶対に失敗することなく作業を完遂できるように、最適な電動ドライバーの選び方から、プロ顔負けのトルク管理術まで徹底的に解説します。
私自身の度重なるデスク組立経験(と、恥ずかしながら過去にやらかした失敗談…)に基づいた、かなりリアルで実践的なノウハウです。
あなたのデスク作りが、不安な重労働ではなく、最高にワクワクする楽しいDIY体験になるよう全力でサポートさせてくださいね。
この記事でわかること
- FlexiSpotの組立にインパクトドライバーを使ってはいけない「明確で恐ろしい理由」
- 失敗を防ぐために絶対おすすめな電動ドライバーの機種(3.6Vモデル)と選び方
- 金属ボルトや木ネジなど、パーツの素材ごとに適した締め付けトルクの数値目安
- 万が一ネジ穴が空回りしてしまった時の「爪楊枝メソッド」など、神リカバリー術
FlexiSpotと電動ドライバーの適正トルク管理
FlexiSpotの組み立てにおいて、ネジを締める「強さ(トルク)」の管理は、ただ単に「ネジが緩まなきゃいいんでしょ?」という単純な話ではありません。
昇降デスク特有の「揺れ(Wobble)」をしっかり防ぎ、モーターが動いた時の不快な共振音を抑え、そして何より、数万円もするあなたの大切な天板を破壊しないために、めちゃくちゃ重要な要素なんです。
ここでは、なぜ特定の工具が推奨されるのか、そして具体的な数値に基づいた締め付けの目安について、少し専門的な視点も交えながらわかりやすく解説していきますね。

インパクトドライバーは絶対に使用禁止
まず最初にお伝えしなければならない、そしてこの記事で私が一番大声で警告したいこと。
それは、FlexiSpotの組み立てに「インパクトドライバー」は絶対に使用してはいけないということです。
普段からちょっとしたDIYをされている方や、ホームセンターでレンタル工具を借りてこようと考えている方は、つい「パワーがあるインパクトドライバーなら作業が一瞬で終わって楽だろうな」「プロの大工さんも使ってるし間違いないでしょ」と思ってしまいがちです。でも、これ、家具の組み立てにおいては本当に致命的なミスに繋がります。
インパクトドライバーの最大の特徴は、その名の通り回転する方向に「ガガガッ!」と打撃(インパクト)を加える構造にあります。
ネジが奥まで入って負荷がかかった瞬間、内部のハンマーが強烈な打撃トルクを発生させます。
そのパワーたるや、一般的な18Vモデルであれば140Nm〜170Nm(ニュートンメートル)にも達するんです。
後で詳しく解説しますが、FlexiSpotの天板を固定するのに必要なトルクは、実はわずか2Nm程度。強固な鉄製フレームの固定でも10Nm程度で十分です。
つまり、インパクトドライバーを使うと、本来必要とされる力の50倍から80倍ものバカ力が一瞬で加わってしまうというわけです。想像しただけでも恐ろしいですよね。
もしインパクトドライバーを使ってしまうと、どんな悲劇が起きるのか。
金属フレームに対しては、打撃の強烈な衝撃でボルトの頭をねじ切ってしまったり、中空になっている角パイプをベコッと変形・陥没させてしまうリスクがあります。
さらに絶望的なのが、木質の天板へのネジ込みです。
トリガーを引いた瞬間、打撃力によってネジは止まることを知らず、天板の木の繊維を粉砕しながらドリルみたいに深くまで突き進んでしまいます。結果、ネジ穴を一瞬で「ただの大きな空洞」に変えてしまうんです。
こうなると、いくらネジを回してもクルクル空回りするだけで、天板は全く固定されません。
インパクトドライバーは家を建てる時や「解体」するには最強のツールですが、繊細な力の調整が必要な「組み立て」には不向きすぎる破壊的ツールだということを、まずはしっかり覚えておいてください。

ここが危険!
インパクトドライバーは、その構造上「締め付けトルクの微調整」ができません。
指先のトリガーの引き加減で回転スピード自体は変えられますが、一度「ガガガッ」と打撃が始まってしまえば、もうトルクは制御不能です。
FlexiSpotのような精密でお高い家具の組み立てには、打撃を与えずに回転のみで静かに締めてくれる「ドリルドライバー」や「電動ボールグリップドライバー」を使うのが絶対の鉄則ですよ。
おすすめの電動ドライバーと選び方
「じゃあインパクトドライバーがダメなら、どんな電動ドライバーを選べばいいの?」ってなりますよね。
私が自信を持っておすすめするのは、ズバリ3.6Vクラスの小型電動ドライバー(電ドラボールなど)です。
「えっ、3.6Vなんてパワー不足じゃない?18Vとかのパワフルなやつの方がいいのでは?」と思われるかもしれません。でも、FlexiSpotの組み立てにおいては、この「適度な非力さ」こそが最大の武器であり、天板を守る最高の安全装置になってくれるんです。
具体的に言うと、「ベッセル(VESSEL) 電ドラボール 220USB」や「ボッシュ(BOSCH) GO」といった製品がドンピシャでこれに該当します。
これらのツールの最大トルクは、電動で回した時でだいたい2.0Nm〜5.0Nm程度に設定されています。
この数値、実は天板のネジ締めにおいて「強く締めすぎて天板を破壊する前に、モーターの限界が来て自動で止まってくれる」という、めちゃくちゃ絶妙なバランスなんですよね。
つまり、DIY初心者さんがうっかりスイッチを押し続けてしまっても、天板を壊すほど強い力が出ない仕組みになっているので、心から安心して作業ができるわけです。
ちなみにFlexiSpotで使われているネジは、海外家具によくある特殊な「ポジドライブ」ではなく、私たちが普段から見慣れている一般的なプラスネジ(フィリップス)なので、日本のベッセルなどのビットとの相性も抜群ですよ。

特にベッセルの電ドラボールのような「手締め機能(シャフトロック)付き」のモデルは、FlexiSpot組み立てにおいてマジで最強のパートナーになります。
長いネジを何十回も回す面倒な工程は「電動の早回し」でウィーンと一瞬で終わらせて、最後のギュッという大事な締め付け(本締め)だけは「手動」で自分の感覚を頼りに行う。
このハイブリッドな使い方ができると、作業時間は手回しの1/5以下に短縮されつつ、トルク管理の安全性は手回しと同レベルをキープできます。
USB充電式でスマホみたいに充電できるし、コンパクトだからデスクが完成した後も、PC周りのちょっとしたメンテナンス用として引き出しに転がしておけるのも最高に嬉しいポイントですよね。
実はこの電ドラボール、PC自作界隈でもマザーボードを壊さない神ツールとして大定番なんです。繊細な作業には本当に向いていますよ。
部位別に見る推奨トルク値の一覧
FlexiSpotは、大きく分けると「金属同士をガッチリ固定する部分(脚部やビーム)」と、「木材に優しくネジを打ち込む部分(天板やリモコンなどのアクセサリ)」の2つで構成されています。
この2つは、求められる強さ(トルク)が全く違うので、全部同じ感覚で力任せに締めると必ずどこかで失敗します。
メーカー公式の数値は公開されていませんが、一般的な工業規格(JIS等)と、私の数多くの組立経験から導き出した「部位別の推奨トルク目安」を作成しました。
この表を参考に、「ここは親の仇のように強く!」「ここは赤子を撫でるように優しく!」というメリハリのある締め付けを意識してみてくださいね。
| 組立工程 | 使用ボルト/ ねじ | 推奨トルク (Nm) | 工具と作業のポイント |
|---|---|---|---|
| 脚部組立 (支柱とフット) | M8 六角ボルト | 10.0 - 15.0 | 【最強・重要】 ここが緩むとデスクが前後に グラグラ揺れる原因になります。 電動(3.6V)では完全に力不足なので、 必ず付属のレンチやラチェットを使って 「グッ、グッ」と体重をかけるイメージで 手動で本締めしてください。 |
| フレーム展開 (ビーム伸縮) | M6 六角ボルト | 6.0 - 8.0 | 【中強】 手首にしっかりとした抵抗を 感じるまで締めます。 ただし、パイプの中身は空洞なので、 ゴリラみたいな力で締めすぎるとパイプが凹みます。 変形しないギリギリで止めるのがコツ。 |
| 天板固定 (パーティクル ボード) | ST4.8 木ねじ | 2.0 - 2.5 | 【最弱・要注意】 素人が一番失敗しやすい箇所です。 ネジが奥に当たって抵抗を感じ始めたら即座に電動をストップ。 最後は指先の感覚だけでクイクイっと 手で締める程度で十分固定されます。 |
| 天板固定 (竹/無垢材) | ST4.8 木ねじ | 2.5 - 3.5 | 【弱・注意】 素材が硬いですが、無理は絶対禁物。 「ミシミシ」と嫌な音がしたら、 それは木材が「もう割れる!」と悲鳴を上げている合図です。 即座に回すのをやめてください。 |
| リモコン固定 (アクセサリ) | ST3.5 小ねじ | 0.5 - 1.0 | 【極弱】 相手はただのプラスチックです。 電動ドライバーは一切使わず、 最初から手回しドライバーを使い、 指先だけで優しく回す感覚推奨。 力任せにやると一瞬でバキッと割れます。 |

ドリルドライバーのクラッチ設定
もしあなたが、さっきおすすめした3.6Vの小型ドライバーを持っていなくて、家に昔からあるような「ドリルドライバー(ピストル型でカチカチ回るダイヤルが付いているやつ)」を使う場合は、設定数値の扱いに細心の注意が必要です。
ドリルドライバーの先端付近には、1〜20くらいの数字が書かれたダイヤル(トルク調整リング)が付いていますよね。
これ、設定した以上の負荷(トルク)がかかると、内部のギアが「ガガガッ」と滑って空転し、それ以上ネジを締め付けないようにしてくれる「クラッチ機能」なんです。
この機能こそが、強すぎるパワーから天板を守る命綱になります。
FlexiSpotの天板へネジ止めする際は、必ず一番弱い設定(通常は「1」)からスタートしてください。これ、絶対に守ってくださいね。
いきなり「5」や「10」といった中間の設定で回し始めると、一般的なドリルドライバーは想像以上にパワーが強いので、勢い余ってネジが止まらず、天板の中で空転させてしまう「ねじバカ」状態を一瞬で引き起こします。
特に標準のパーティクルボード天板は柔らかいので、クラッチが作動して止まってくれる前に、ネジ穴の素材が削り取られて破壊されてしまうことが多いんです。
「1」で回してみて、弱すぎて途中でネジが入らなくなってしまった場合に限り、初めてダイヤルを「2」に上げる……という慎重さが求められます。
安全な手順をおさらいします。
まず設定「1」で締めてみる。もし途中で「ガガガカチカチ」と止まってしまい、ネジが奥まで入りきらない場合のみ、設定を「2」に上げる。
それでもダメなら「3」にする…というように、必ず下から順に強度を上げていくのが鉄則です。
メーカーにもよりますが、設定「5」前後で3〜4Nmになることが多いので、天板の固定において「5」以上にする必要はまずないはずです。
逆に、フレームのM6やM8ボルトといった金属パーツをガッチリ締める際は、クラッチを「ドリルモード(最大・ダイヤルのドリルのマーク)」にするか、最も高い数値に設定しないと、途中でカチカチ止まってしまってしっかり固定できませんよ。

付属の六角レンチと手締めの重要性
ここまで電動工具の便利さや設定について熱く語ってきましたが、最終的な組み立てのクオリティを左右するのは、やっぱり「人間の手」による感触(Tactile Feedback)なんですよね。
電動工具はあくまで「ネジを回すという単純作業を楽にするための時短ツール」であって、最後の「本当にちゃんと締まっているか」という信頼性の担保は、絶対に手動で行うべきだと私は考えています。
特に、デスクの脚部(床に接するフット部分)と昇降する支柱を固定するM8ボルトは、デスク全体の安定性を担う超重要な心臓部です。
このボルトが少しでも緩んでいると、スタンディングモードで高くした時にデスクが前後にグラグラ、ガタガタと揺れる最大の原因になります。
ここは電動ドライバー(特に3.6Vクラス)のパワーでは確実に締め付け不足になるため、必ずFlexiSpotに付属している六角レンチを使って、最後の一締め(増し締め)を行ってください。
付属のレンチは少し短くて力が入りにくいと感じる場合もありますが、その場合は手袋をしてしっかり握るか、持ち手の長いL字の六角レンチを別途用意すると作業が劇的に楽になりますよ。

プロが推奨するボルトの締め方は、「スナッグ&クォーターターン」に近い感覚です。
ちょっとかっこいい名前ですが、やり方は簡単。
まずボルトを普通に回していき、金属の座面に当たって回らなくなった状態(スナッグトルク)にします。
そこから、さらに90度(クォーターターン、時計の針でいうと15分進めるくらい)だけ、グッと力を込めて力強く締め込みます。
こうすることで、ボルト自体がバネのようにほんの少しだけ伸びて、元に戻ろうとする強い力(軸力)が発生し、長期間使っていても振動で緩みにくい強固な結合になるんです。
「電動で9割まで楽をして、最後の1割を自分の手で確実にする」。これがFlexiSpot組み立てにおける絶対に失敗しない黄金ルールです。
(ちなみにこの手法、IKEAなどの組み立て家具でもカムロックを壊さないための最適解として共通する考え方なんですよ。)
FlexiSpotに電動ドライバーとトルクで失敗しない技
ここからは、実際に部屋で組み立てている最中に直面しやすい「うわ、困った!」というリアルなトラブルや、天板の素材ごとの特性に合わせた、より実践的な「失敗しないためのテクニック」を深掘りしていきます。
説明書にはサラッとしか書かれていない、ユーザー目線の泥臭いノウハウを知っているだけで、完成した時のクオリティと安全性は格段に上がりますよ。

竹天板の割れを防ぐ下穴のコツ
FlexiSpotの天板ラインナップの中でも、見た目の美しさとエコなイメージで特に人気の高い「竹(Bamboo)天板」。実はこれ、最も組み立て難易度が高い気難しい素材でもあります。
竹は繊維が縦方向にビッシリと非常に強く走っているため、表面は硬い反面、繊維に沿って裂けやすい(へき開性が高い)という厄介な特性を持っています。
そのため、下穴が開いていない場所に無理やりネジをねじ込んだり、下穴のサイズが小さすぎたりすると、ネジ自体が「くさび」のように働き、「パキッ!」という乾いた嫌な音と共に天板に亀裂が入ってしまうことがあるんです。
新品の天板からこの音が鳴った時の絶望感たるや……本当に筆舌に尽くしがたいものがあります。
これを防ぐための唯一にして最大の対策は、適切なサイズの下穴(パイロットホール)をドリルで事前に開けておくことです。
もし純正の下穴が開いていない場所にコントローラーを取り付けたい場合や、フレームを広げすぎて穴の位置が合わなくなってしまった場合は、絶対に面倒くさがらずに電動ドリルを用意してください。
FlexiSpotに付属する天板固定用の木ネジ(ST4.8タッピングビス)に対して、推奨されるドリルの刃(ビット)の太さは3.0mm〜3.2mmです。
このサイズで穴を開けておけば、ネジのギザギザ部分(ネジ山)がしっかりと竹の繊維に食い込んで固定力を発揮しつつ、中心の太い軸部分が竹を押し広げようとする圧力をスッと逃がしてくれるため、割れのリスクを劇的に減らすことができるんです。

深さ調整の裏技
ドリルで穴を開ける際、力余って天板の表側まで貫通させてしまったら大惨事ですよね。
これを防ぐために、ドリルビットの先端から「使うネジの長さ分」の位置に、マスキングテープをぐるっと巻き付けて目印(深さゲージ)にしてしまいましょう。
ドリルを進めていって、テープが天板に触れた瞬間にストップすれば、深すぎず浅すぎない、完璧な下穴が安全に開けられますよ。
ネジが空転する原因とリカバリー
FlexiSpotの標準的でお手頃な天板である「パーティクルボード(木質チップを樹脂で固めたもの)」で最も多い失敗が、ネジを強く締めすぎてグルグルと際限なく回り続けてしまう「ストリップ(ねじバカ)」現象です。
パーティクルボードは内部の密度が低く、繊維同士の結合が比較的弱いため、電動ドライバーで強いトルクをかけすぎると、ネジの螺旋構造が周囲の柔らかい素材をガリガリと削り取ってしまい、ただの空洞を作ってしまうんです。
一度こうなると、そのネジ穴は保持力を完全に失い、最悪の場合デスクの重い鉄脚が外れやすくなるという非常に危険な状態になります。
でも、「やっちまった…天板買い直しか…?」と青ざめる必要はありません。DIY界隈では昔から有名な「爪楊枝メソッド」という裏技的なリカバリー方法を使えば、実用強度までしっかり修復可能なんです。
手順は拍子抜けするほどシンプルですよ。
- 空回りして削れてしまったバカ穴の中に、木工用ボンドを少し多めに注入します。
- そこに家庭にある普通の爪楊枝を2〜3本、穴がギチギチに埋まるまで差し込みます(割り箸をカッターで細く削ったものでも代用可)。
- 穴からはみ出た爪楊枝の頭をニッパーなどでカットし、天板の面と平らに揃えます。
- ボンドが半乾き〜完全に乾燥するまで、焦らずに待ちます(通常1時間程度)。
- 再度、その埋めた爪楊枝の中心を狙って、今度は手回しドライバーで慎重にネジを締め込みます。

これで、詰め込んだ爪楊枝とボンドが新たな「強固な木の壁」の役割を果たし、ネジが再びしっかりと噛み込むようになります。
あくまで応急処置的なテクニックではありますが、高価な天板を諦めて買い直す前に、試す価値は十二分にあります。
また、より強固にプロっぽく直したい場合は、ホームセンターで売っている「木部補修用エポキシパテ」を穴にギュッと埋めて硬化させ、そこにドリルで下穴を開け直すという本格的な方法もありますが、まずは手軽でコストゼロの爪楊枝から試すのがおすすめですよ。
穴位置が合わない時の対処法
海外製品であるFlexiSpotでは、稀に「いざ天板を取り付けようとしたら、重いフレーム側の金属の穴と、天板側に最初から開いている下穴が、数ミリだけずれていてネジが入らない!」というもどかしい事態に遭遇することがあります。
また、自分でデスクの横幅に合わせてフレームをスライド調整した際に、微妙に位置がズレてしまうこともよくあります。
この時、イライラして無理やり斜めにネジをねじ込もうとするのは絶対にNGです。
ネジ頭が浮いてしまって固定力がガタ落ちするだけでなく、斜めに入ったネジが天板内部で想定外の方向に力を加え、表面がモッコリ盛り上がったり、最悪割れたりする原因になります。
こんな時、まず試すべき魔法のテクニックは、「フレームのボルトを一度緩めてリセットする」ことです。
ビーム(横枠)やブラケットを固定している金属のM6ボルトを、全部ちょっとずつ(半回転くらい)緩めると、フレーム全体に数ミリの「遊び(ガタツキ)」が生まれます。
このフレームが少しグニャグニャ動く状態で、先に天板の穴位置に合わせて、全ての木ネジを数回転ずつだけ入れて「仮止め」します。
全てのネジが真っ直ぐ穴に入ったことを確認してから、最後にフレームの金属ボルトと天板の木ネジを本締めしていくと、全体の歪みがスッと吸収されて、嘘みたいに綺麗に収まることが多いんです。

それでもどうしても2mm以上ずれていて、物理的にネジが入らない場合は、純正の既存の下穴を使うのは潔く諦めましょう。
迷わずドリルを使って、フレームの穴の中心に合わせて新しい下穴を垂直に開け直してください。
「せっかくメーカーが開けてくれた穴なんだから、これを使わなきゃ」という固定観念を捨てる勇気が、結果的に最も綺麗で安全な仕上がりに繋がりますよ。
鬼目ナットへ改造するリスク
最近のYouTubeのデスクDIY動画などを見ると、天板に「鬼目ナット(インサートナット)」という金属の筒を埋め込み、木ネジではなく金属ボルトで何度も着脱できるように改造するのが大流行していますよね。
確かに、引っ越しなどで何度もデスクを分解・組み立てをする予定がある方にとって、ネジ穴が痛まない鬼目ナット化は非常に魅力的なカスタマイズです。
しかし、初めてFlexiSpotを組み立てる初心者の方には、私はあまりおすすめしません。
その理由はシンプルに、加工の難易度が意外と高く、失敗した時のダメージが大きすぎるからです。
鬼目ナットを綺麗に埋め込むには、8mm〜10mm程度というかなり太い穴を、天板に対して完全に垂直に開ける高度な技術が求められます。
もしハンドドリルを使ってフリーハンドで穴を開け、少しでも斜めになってしまったらどうなるでしょうか。
ナットが斜めに埋まってフレームと密着しなくなったり、最悪の場合、ドリルの先が天板を突き抜けて表の綺麗な面に穴が開いてしまうリスクがあります。
特に2〜3万円もする無垢材や竹天板を一発でダメにしてしまった時の心理的ダメージは計り知れません。しばらく立ち直れないと思いますよ。

標準の木ネジであっても、これまで解説してきたように適切にトルク管理をして丁寧に扱えば、数回の分解・再組み立てには十分に耐えられます。
まずは標準の組み立て方法で確実にデスクを完成させることを優先し、将来的に気分を変えて天板を交換するタイミングなどが来たら、その時に古い天板で鬼目ナットの練習をしてみる、くらいのスタンスが一番安全でメンタルにも優しいかなと思います。
FlexiSpotの電動ドライバーとトルクまとめ
いかがでしたでしょうか。FlexiSpotの組み立てにおける電動ドライバーの選び方とトルク管理について、かなり詳細に、熱を込めて解説してきました。
情報量が少し多くなってしまいましたが、最後にこれだけは絶対に覚えておいてほしい3つのポイントをまとめます。
この3つさえ守れば、致命的な大失敗は確実に防げますよ。
- インパクトドライバーは絶対NG:
強すぎるパワーで天板を一瞬で破壊するリスクがあるため、家具の組み立てには絶対に使用しない。 - 電動は3.6V、最後は手締め:
パワーの弱い小型電動ドライバーでネジ回しの疲労をなくし、最後の繊細な締め付けは人間の手で確実に行う。 - 無理はせずドリルを使う:
竹天板の時や、穴がズレて合わない時は、無理にねじ込まずにドリルで下穴処理をすることで割れを防ぐ。
適切なツール選びと、ほんの少しのトルク管理の知識があれば、重量級のFlexiSpotの組み立ても決して恐ろしいものではありません。
むしろ、自分の手で巨大で機能的なデスクが組み上がっていく過程は、まるで大人のプラモデルを作っているようで、すごくワクワクする体験になるはずです。
「壊さないかな?大丈夫かな?」という最初の不安を、「よし、自分の手で完璧に組み上げたぞ!」という最高の達成感と愛着に変えて、毎日の作業が劇的に捗る快適なスタンディングデスク環境を手に入れてくださいね。
なお、細かなネジの仕様などはモデルやロットによって微妙に異なる場合があるため、最終的な判断は必ず公式の説明書を隣に置きながら、自分のペースで慎重に作業を進めてください。
(出典:FlexiSpot公式サポートセンター よくある質問)