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IKEAの広大な店舗を歩いていると、ショールームのあちこちで見かけるシンプルで洗練されたデザインの電動ドライバー。
これから新生活を始める方や、新しい家具を組み立てようと考えている方にとって、数千円で購入できる手軽さは非常に魅力的ですよね。
「これ一台あれば、面倒な組み立て作業も楽勝!」と期待に胸を膨らませて購入を検討する一方で、スマホで評判を検索してみると、「弱い」「使えない」「ネジが入らない」といったネガティブなキーワードが目につき、不安になってしまった方も多いのではないでしょうか?

初めてIKEAの電動ドライバー(FIXAシリーズなど)を手にする際、「所詮はおもちゃのようなものではないか」「やはりマキタやボッシュのようなプロ用メーカーでなければ通用しないのではないか」と半信半疑になる人は少なくありません。

しかし、実際の使用現場や多くの組み立て事例を検証していくと、ある一つの事実が浮かび上がってきます。
ネット上で散見される「弱い」という評価の裏側には、ドライバー本体の性能不足以上に、「ユーザー側の知識不足」や「使い方の誤解」が隠されているケースが圧倒的に多いのです。

特に、「ビットが合わない」ことによるトラブルや、「ポジドライブ」という日本規格とは異なるネジの存在を知らないまま作業してしまっているケースは、全体の不満の8割以上を占めていると言っても過言ではありません。
もちろん、プロの大工さんが使うような数万円するインパクトドライバーと比較すれば、IKEAのドライバーのトルク(回転力)は確かに控えめです。
しかし、その「控えめなパワー」こそが、実はIKEAの家具組み立てにおいては最大の武器になるということを、多くの人は知りません。

この記事では、DIY愛好家として、そしてIKEA家具のファンとして、IKEAの電動ドライバーが「弱い」と言われる本当の技術的な理由と、それを克服して快適に使いこなすための正しい知識を、余すところなく解説していきます。
これを読めば、あなたはもう「安物買いの銭失い」を恐れる必要はありません。
IKEAのドライバーが持つポテンシャルを100%引き出し、プロ顔負けの仕上がりで家具を組み立てられるようになるはずです。

この記事を読むことで得られるメリット

記事のポイント
  • IKEAのドライバーが「弱い」と感じる最大の原因である「ビット規格の不一致」を完全に理解できる
  • IKEA家具の組み立てに必須となる「ポジドライブ規格」の基礎知識と見分け方を習得できる
  • 新モデル「TRIXIG」と旧モデル「FIXA」の性能差や特徴を比較し、自分に合うモデルが分かる
  • 用途によってはIKEAドライバーの「適度な弱さ」が、逆に家具を守るメリットになる理由が分かる

IKEAの電動ドライバーが弱いと言われる理由

IKEAの電動ドライバーを購入したユーザーのレビューを見ていると、「全然力がない」「すぐに空回りしてネジ頭を舐めてしまった」「充電してもすぐに止まる」といった悲鳴のような声が散見されます。
これらを鵜呑みにすると、まるでIKEAの製品が欠陥品であるかのように思えてしまいますが、技術的な視点で分析すると、その原因のほとんどは「モーターの出力不足」ではありません。
ここでは、ユーザーが「弱い」と錯覚してしまうメカニズムと、その背後にある技術的な背景を、初心者の方にも分かりやすく深掘りしていきます。

IKEAの電動ドライバーが弱いと言われる理由
プロとDIYの工具ナビ・イメージ

本当の原因はビットが合わない

「渾身の力を込めてドライバーを押し付けているのに、ガガガッという不快な音と共にビットが外れてしまう」
「ネジが半分くらい入ったところで完全に止まってしまい、そこから先はどうやっても回らない」
もしあなたがIKEAの電動ドライバーを使っていてこのような現象に直面したなら、まず疑うべきはドライバーのパワーではなく、先端に取り付けている「ビット(ドライバーの刃先)」の種類です。

結論から申し上げますと、IKEAの電動ドライバーが「弱い」と評価される原因のナンバーワンは、「日本の一般的なプラスビット(PH)を使って、IKEAの特殊なネジ(PZ)を回そうとしていること」にあります。
多くの日本人は、「プラスドライバーなんてどれも同じだろう」と考えています。
実家の工具箱に入っていた赤い柄のドライバーも、100円ショップで買ったドライバーセットも、すべて先端は十字の形をしていますから、そう思うのも無理はありません。
しかし、世界には複数の「プラスネジの規格」が存在しており、それぞれ微妙に溝の角度や太さが異なっているのです。

カムアウト現象の恐怖

規格の合わないビットでネジを回そうとすると、何が起きるのでしょうか?
専門用語で「カムアウト(Come-out)」と呼ばれる現象が発生します。
これは、回転させる力がネジを回す方向ではなく、ドライバーをネジから押し出す方向(手前方向)に変換されて逃げてしまう現象です。
ビットとネジの密着度が低いと、回転トルクをかければかけるほど、ビットは外へ外へと逃げようとします。
ユーザーは「ドライバーの回転力が弱いから回らないんだ」と感じますが、物理的には「回転力が逃げている」状態なのです。
この状態で無理やり回し続けると、硬い金属製のビットが柔らかいネジの頭を削り取り、いわゆる「ネジを舐めた」状態にしてしまいます。
こうなると、もうプロの道具を使ってもネジを回すことはできません。

IKEAのドライバーを使っているときに「弱いな…」と感じたら、一度作業を止めて、ビットの先端をよく見てください。
もしネジ穴に対してビットが少しでもグラグラしていたり、隙間があったりする場合は、ほぼ間違いなくビットの選択ミスです。
正しいビットを使えば、IKEAのコンパクトな3.6Vドライバーであっても、驚くほどグイグイとネジが入っていく感覚を味わえるはずです。

ポジドライブ規格の重要性

では、IKEAの家具には具体的にどのような規格が使われているのでしょうか。
ここで必ず覚えていただきたいキーワードが、「ポジドライブ(Pozidriv)」です。
記号では「PZ」と表記されます。

ポジドライブは、イギリスの企業が特許を持っていた規格で、ヨーロッパを中心としたDIY市場や家具産業ではデファクトスタンダード(事実上の標準)となっています。
IKEAはスウェーデン発祥の企業ですから、当然ながらIKEAの家具に付属しているネジのほとんどは、このポジドライブ規格(PZ2サイズが主流)なのです。
一方で、日本国内で流通しているネジやドライバーの99%は、アメリカ発祥の「フィリップス(Phillips)」規格、あるいはそれに準拠した「JIS規格」であり、記号では「PH」や「+」と表記されます。

ポジドライブとフィリップスの決定的な違い

一見するとどちらも同じ十字に見えますが、その設計思想は正反対と言っても過言ではありません。

規格名フィリップス (PH) / JISポジドライブ (PZ)
見た目の特徴単純な十字の溝。
角が丸みを帯びている場合が多い。
十字の溝の間に、
さらに4本の小さな線(ヒゲ)
刻まれている。
全体的に角張っている。
設計思想過度なトルクがかかった際、
あえてカムアウト(浮き上がり)
させてネジ切れを防ぐ設計。
ドライバーとネジが平行に密着し、
カムアウトを防いで
高いトルクを確実に
伝達する設計。
主な用途日本の家電
建築
一般製品全般
IKEA家具
輸入家具
スキーのビンディング欧州車

表にある通り、ポジドライブ(PZ)は「滑らないこと」を最優先に設計されています。
その噛み合わせの強さは強力で、正しいサイズのPZビットをネジに差し込むと、磁石がなくてもドライバーを水平にするだけでネジが落ちないほどガッチリとハマります。
逆に言えば、IKEAのネジ(PZ)に対して日本の一般的なプラスドライバー(PH)を使うことは、「滑らないように作られたネジを、わざと滑りやすい道具で回している」ようなものです。
これでは力が伝わるはずがありません。
IKEAのドライバーが「弱い」と感じる前に、お手持ちのビットに「PZ」の刻印があるか、あるいはビットの形状に「ヒゲ」に対応する突起があるかを必ず確認してください。
もし手元にPHビットしかないのであれば、ホームセンターやネット通販で数百円の「ポジドライブビット(PZ2)」を買うだけで、あなたのIKEAドライバーは見違えるほど「強く」なります。

FIXAとTRIXIGの違い

IKEAの電動工具売り場に行くと、かつてはオレンジ色のアクセントが入った「FIXA(フィクサ)」シリーズが並んでいましたが、現在ではよりモダンなデザインの「TRIXIG(トリクシグ)」シリーズへと順次切り替わっています。
「昔買ったFIXAを持っているけど、新しいTRIXIGに買い替えたら強くなるの?」
「中古で安く売ってるFIXAでも十分なの?」
そんな疑問を持つ方のために、新旧モデルの決定的な違いと進化のポイントを解説しましょう。

FIXA(フィクサ)シリーズの特徴

長年にわたりIKEAのDIY部門を支えてきた名機です。
3.6Vのスティックタイプと、7.2Vのガンタイプ(ピストル型)が主流でした。
特に7.2Vモデルは、ダイヤル式のクラッチ(トルク調整機能)が付いており、組み立てだけでなく簡単な穴あけ作業にも使える汎用性の高さが売りでした。
しかし、充電には専用のACアダプターが必要で、このアダプターを紛失してしまうと充電手段がなくなるというデメリットがありました。
また、3.6Vモデルのトルクは3Nmと非常に控えめで、固い木材相手だとすぐに止まってしまう弱点もありました。

FIXA(フィクサ)シリーズの特徴
出典:IKEA

TRIXIG(トリクシグ)シリーズの進化

TRIXIGは、現代のライフスタイルに合わせて大きく進化しています。
最大の変更点は、充電ポートが「USB Type-C」になったことです。
スマホの充電器やモバイルバッテリーから手軽に充電できるようになったため、「いざ使おうと思ったら充電切れで、専用アダプターも見つからない」という悲劇から解放されました。
また、本体のプラスチック部分にリサイクル素材を使用するなど、環境への配慮もなされています。

TRIXIG(トリクシグ)シリーズの進化
出典:IKEA

そして肝心の「強さ」ですが、エントリーモデルである3.6Vタイプにおいて、最大トルクがFIXAの3Nmから5Nmへと強化されています。
「たった2Nmの違い?」と思われるかもしれませんが、比率で言えば約1.6倍のパワーアップです。
3Nmでは止まってしまっていたような少し硬めのネジ締めでも、5Nmあれば最後まで締め切れる場面が増えます。
ただし、注意点としてTRIXIGシリーズの一部商品は、になっている場合があります。
本体だけ買っても先端工具がなければただの文鎮ですので、購入時は必ずパッケージを確認し、TRIXIG用のビットセット(もちろんPZビットが含まれています)を一緒にカートに入れるのを忘れないでください。

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トルク不足でネジが入らない時

ポジドライブのビットを正しく使い、バッテリーも満充電にした。
それでもなお、「うーん…うーん…」とモーターが唸りを上げて止まってしまうことがあります。
「やっぱりIKEAのドライバーは弱いじゃないか!」と投げ出したくなる瞬間ですが、ちょっと待ってください。
その作業、ドライバーの「守備範囲」を超えていませんか?

電動ドライバーにおける「トルク(Nm:ニュートンメートル)」という数値は、自動車で言うところのエンジンの排気量のようなものです。
IKEAのドライバー(3.6V〜7.2V)が持つ3Nm〜5Nmというトルクは、あくまで「事前に下穴が開けられている家具の組み立て」「緩んだネジの増し締め」を想定して設計されています。
一方で、ホームセンターで購入した2x4(ツーバイフォー)材のような無垢の木材に、下穴も開けずに長さ30mm以上のコーススレッド(木工用ネジ)を打ち込む作業には、最低でも20Nm〜100Nm以上のトルクが必要です。

これを「弱い」と批判するのは、軽自動車で悪路の急勾配を登ろうとして「この車はパワーがない」と文句を言うようなものです。
製品の欠陥ではなく、単純な「スペックの限界」であり、用途のミスマッチです。
もし、IKEAのドライバーを使ってDIYで棚などを一から作りたい場合は、以下の手順を踏むことで「弱さ」をカバーできます。

トルク不足でネジが入らない時
プロとDIYの工具ナビ・イメージ

パワー不足を補うテクニック:下穴(ガイドホール)

ネジを打ち込みたい場所に、あらかじめドリル(キリ)でネジの太さよりも少し細い穴を開けておきます。
これを「下穴」と呼びます。
下穴を開けることで木の抵抗が劇的に減り、IKEAのような低トルクのドライバーでも長いネジをスムーズに締め込めるようになります。
IKEAのドリルビットセットには、木工用のドリル刃も含まれていますので、ぜひ活用してください。

故障や充電できないトラブル

「買ってから一度使って、半年ぶりに押入れから出したら動かない」
「充電ランプはずっと点いているのに、いざ使おうとするとすぐに止まる」
これも「IKEA製品は弱い、壊れやすい」と言われる典型的なパターンですが、多くの場合、原因はバッテリーの特性にあります。

IKEAの電動ドライバーには、スマホと同じ「リチウムイオンバッテリー」が搭載されています。
このバッテリーは非常に優秀ですが、「過放電」という弱点があります。
電池残量がゼロの状態で長期間(数ヶ月〜半年以上)放置すると、バッテリー内部の電圧が下がりすぎてしまい、充電回路が「危険な状態」と判断して充電を受け付けなくなることがあるのです。
これは安全装置の一種であり、発火事故などを防ぐための仕様ですが、ユーザーからすれば「壊れた」ことに変わりありません。

また、作業中にドライバーが急に停止するのは、モーターに過度な負荷がかかった際に回路を保護するための「サーマルプロテクター(過負荷保護機能)」が作動している可能性があります。
無理やり回し続けてモーターが焼き付くのを防ぐための機能ですので、この場合は少し休ませて冷やすか、手回しで補助してあげる必要があります。

なお、電動工具の取り扱いに関しては、国民生活センターからも安全に関する注意喚起が出されています。
特に、回転部に手袋の繊維が巻き込まれる事故を防ぐため、「軍手をして作業しないこと」は鉄則です。
IKEAのドライバーは出力が低いとはいえ、回転工具であることに変わりはありません。
安全のためにも、公的機関の発信情報を一度確認しておくことを強くおすすめします。
(出典:国民生活センター『電動工具の事故に注意!』

IKEAの電動ドライバーは弱いが家具組立に最適

ここまで、IKEAのドライバーがいかに「プロ用と比べて弱いか」という話をしてきましたが、ここからは話を反転させましょう。
「IKEAの家具を組み立てるなら、マキタの最強インパクトよりも、IKEAの『弱い』ドライバーの方が圧倒的に優れている」と断言できます。
なぜなら、道具というのは強ければ良いというものではなく、「対象物との相性(バランス)」が何よりも重要だからです。

IKEAの電動ドライバーは弱いが家具組立に最適
プロとDIYの工具ナビ・イメージ

マキタ製品と比較した性能差

DIYを始めると、誰もが一度は憧れるブランド、それが日本の誇る電動工具メーカー「マキタ(Makita)」です。
マキタの象徴とも言える「ペン型インパクトドライバー(TD022Dなど)」や「7.2Vドリルドライバー(DF012DZ)」は、プロの電気工事士や設備屋さんも愛用する名機中の名機です。

スペックを比較してみましょう。
マキタのペン型インパクトの最大トルクは25Nm
対するIKEAのTRIXIGは5Nm
数値上は5倍の開きがあります。
実際に使い比べると、マキタはトリガーを引いた瞬間に「ギュン!」という小気味よい音と共に、どんな長いネジでも一瞬でねじ込んでいきます。
剛性感も段違いで、軸のブレも全くありません。
「やっぱりマキタは凄い!IKEAなんておもちゃだ!」と言いたくなる気持ちも分かります。

しかし、ここで「コストパフォーマンス」と「必要性」を冷静に考えてみてください。
マキタのペンインパクトを揃えようとすると、本体、バッテリー、充電器で合計1万5千円〜2万円近い出費になります。
一方でIKEAのドライバーは3千円〜5千円でお釣りが来ます。
「家を建てるわけではなく、カラーボックスや机を組み立てるだけ」であれば、マキタのスペックはオーバースペック(過剰性能)と言えるかもしれません。
それは、近所のコンビニに行くためにF1カーを買うようなものです。
F1カーは確かに速いですが、コンビニの駐車場には入りにくいですよね?
それと同じで、家庭内での軽作業においては、IKEAのドライバーのような「コンパクトカー」の方が、小回りが利いて使いやすい場面も多々あるのです。

家具を壊さない適正な強さ

さらに重要なのが、IKEA家具の材質の問題です。
IKEAの家具の多く(KALLAXやBILLYなど)は、「パーティクルボード」という素材で作られています。
これは木材のチップを接着剤で圧縮して固めたもので、環境に優しくコストも安い反面、「ネジ穴の強度が低い(脆い)」という特徴があります。

ここに、25Nmのマキタのインパクトドライバーを使って、全速力でネジを締め込んだらどうなるでしょうか?
「ダダダダッ!」という打撃音と共に、一瞬でネジが奥まで入り込み、そのまま勢い余ってネジ穴の内部を粉砕してしまいます。
これを「バカ穴になる(ネジが効かなくなる)」と言います。
一度バカ穴になってしまったパーティクルボードは、もうネジを固定する力を失い、家具としての強度が保てなくなります。
最悪の場合、組み立て中に家具を破損させて粗大ゴミにしてしまうことすらあります。

一方で、3Nm〜5NmしかないIKEAのドライバーはどうでしょうか。
ネジを締め込んでいき、奥まで到達して負荷がかかった瞬間、「ウーン」とモーターが止まります。
実はこの「止まる」という現象こそが、IKEA家具にとっては最高の機能なのです。
ネジ穴を壊す一歩手前の、絶妙な力加減で自然にストップしてくれる。
これはトルク調整機能(クラッチ)が付いていない安価なモデルだからこその挙動ですが、結果としてパーティクルボードを破壊せずに、優しく、かつしっかりと固定することができるのです。
「弱い」からこそ、失敗しない。
この逆説的なメリットこそが、私が初心者にIKEAドライバーを勧める最大の理由です。

TRIXIGの磁力が弱い問題

ここまでIKEAドライバーを擁護してきましたが、現行モデル「TRIXIG」には一つだけ、明確な弱点が存在します。
それはユーザーレビューでも頻繁に指摘されている「ビットホルダーの磁力が極端に弱い」という問題です。

多くの電動ドライバーは、ビットの先端が磁気を帯びており、鉄製のネジがくっつくようになっています。
これにより、片手でネジを支えなくても、ドライバーの先にネジをくっつけて穴まで運ぶことができます。
しかし、TRIXIGはこの磁力が非常に弱く、少しドライバーを振っただけでネジがポロリと落ちてしまうことがあります。
家具の裏側や隙間など、手の届きにくい場所にネジを打ち込む際、何度もネジを落としてしまうのは精神衛生上よくありません。
「使い勝手が悪い=製品として弱い」という評価につながっている大きな要因です。

500円で解決!マグネタイザーの魔法

この磁力問題は、「マグネタイザー(着磁器)」というアイテムを使えば一瞬で解決します。
ホームセンターやAmazon、最近では100円ショップの工具コーナーでも見かける小さな四角いブロックのような道具です。
この穴にビットを数回抜き差しするだけで、ビットが強力な磁力を帯びるようになります。
逆に磁力を消したい場合(鉄粉を取りたい時など)は、別の穴に通せば消磁も可能です。
IKEAドライバーを使うなら、このマグネタイザーは必須アイテムと言っても過言ではありません。ぜひセットで用意してください。

代用できる他社のおすすめ

「IKEAのドライバーの良さは分かったけど、やっぱりもう少し道具としての質感が欲しい」
「今後、DIYで2x4材を使った棚作りにも挑戦したいから、もう少しパワーに余裕が欲しい」
そのように考えている方のために、IKEAドライバーからのステップアップとして、あるいは最初の一台として自信を持っておすすめできる他社製品を2つ紹介します。

1. ボッシュ(BOSCH) GO 3 コードレスドライバー

IKEAと同じヨーロッパ生まれの世界的工具メーカー、ボッシュ。
この「GO」シリーズは、ペンのようなスティック型でありながら、「プッシュドライブシステム」という革新的な機能を搭載しています。
スイッチを押すのではなく、本体をネジに押し付けるだけで回転がスタートします。
そして何より素晴らしいのが、機械式の詳細なトルク調整(クラッチ)がついている点です。
最小トルクは0.1Nm単位で制御できるため、IKEA家具のような繊細な素材はもちろん、パソコンの組み立てのような精密作業にも使えます。
デザインも洗練されており、所有欲を満たしてくれる一台です。

2. マキタ(Makita) 充電式ペンドライバドリル DF012DZ

先ほど比較に出したマキタですが、インパクトではない「ドリルドライバー」のペン型モデル(DF012DZ)であれば、家具組み立てにも最適です。
最大トルクは8Nmと、IKEA(5Nm)よりも強力ですが、21段階のクラッチがついているため、トルクを弱めて使えばIKEA家具を壊す心配もありません。
また、折り曲げ式(ペン型↔ピストル型)に変形できるため、狭い場所での作業性が抜群です。
バッテリーが交換式なので、予備バッテリーを持っていれば作業が中断することもありません。
「一生モノ」として長く使いたいなら、迷わずこちらをおすすめします。

IKEAの電動ドライバーは弱いくらいが正解

長くなりましたが、結論をまとめましょう。
IKEAの電動ドライバーに対して「弱い」という評価を下すのは、多くの場合、「適切な使い方をしていない」「プロ用機材と同じ基準で比較している」かのどちらかです。

確かに絶対的なパワーは低いです。
しかし、その弱さはコストダウンの結果であると同時に、IKEAの家具を素材割れやネジ穴破壊から守るための「優しさ(適正な強さ)」でもあります。
プロの職人が使うハイパワーなインパクトドライバーは、IKEAの家具にとっては凶器になりかねません。

IKEAドライバーを最強の相棒にする3つの掟

記事のポイント
  1. 必ず「ポジドライブ(PZ)」のビットを使うこと。
    普通のプラスビットで回してはいけません。
  2. 下穴のない堅い木材には使わないこと。
    それはこのドライバーの仕事ではありません。
  3. 定期的に充電してあげること。
    使わなくても数ヶ月に一度は充電し、バッテリーの健康を保ちましょう。

この3点さえ守れば、IKEAの電動ドライバーは、数千円という価格からは考えられないほど優秀な働きをしてくれます。
もし今、ご自宅の工具箱に「使えない」と烙印を押されたIKEAのドライバーが眠っているなら、ぜひ一度、ビットを確認してみてください。
正しい知識とちょっとした愛情で、そのドライバーはきっとあなたのDIYライフを支える頼もしい相棒に生まれ変わるはずです。

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この記事を書いた人
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とっしー
運営者のとっしーです。DIY歴は20年超。数々の失敗から得た経験を元に、工具のレビューや初心者がつまずくポイントを丁寧に解説しています。あなたの「最高の選択」を全力でサポートします!
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