DIY愛好家やプロの職人からも熱い視線を集める、京セラの新型インパクトドライバーBIDZ-20。
「手頃な価格だけど、実際の性能はどうなんだろう?」
「旧モデルのBID-1805からどれくらい進化したの?」
など、購入を前にして多くの疑問をお持ちではないでしょうか。 この記事では、京セラ インパクトドライバー 18Vの新シリーズ「PowerZ20」の主力モデルBIDZ-20について、インターネット上で見られる詳細なレビューや客観的な評価を基に、その実力を徹底的に解剖します。
購入の決め手となりうるBIDZ-20 バッテリーの詳細な仕様や、従来の京セラ インパクトドライバー 18V バッテリーとの間に存在する互換性の問題は、最も重要なチェックポイントです。
また、長年の人気モデルである京セラ インパクトドライバー BID-1805との直接比較を通じて、進化した点だけでなく、コストダウンのために省略された機能など、注意すべき点も包み隠さず明らかにします。
さらに、そのパワフルなトルクでBIDZ-20がタイヤ交換といった高負荷作業に対応できるのか、Amazonや各ECサイトでのリアルな販売価格、そしてセットで検討されることが多い兄弟機、ドライバドリル BDZ-20との最適な使い分けまで、あらゆる角度から深く掘り下げていきます。
ぜひこの記事を最後までご覧いただき、あなたの工具選びの参考にしてください。
- BIDZ-20の具体的なスペックとプロ仕様ブラシレスモーターの利点
- 人気モデルBID-1805との詳細な性能・付属品比較
- バッテリーの互換性と導入前に知るべき最大の注意点
- 実際の使用者によるリアルな評価とメリット・デメリット
本記事の内容
京セラ製インパクトドライバー18v bidz 20の概要
- 京セラ 18V インパクトドライバーとは
- バッテリーの仕様と注意点
- 京セラ バッテリーの互換性
- 京セラ製の評価をチェック
- 京セラBIDZ-20のレビュー
京セラ 18V インパクトドライバーとは
京セラ インダストリアルツールズがDIY市場に新たに投入した電動工具シリーズ、それが「PowerZ20」です。 今回ご紹介するBIDZ-20は、その中核をなす18Vの充電式インパクトドライバーであり、DIYモデルの手軽さとプロ用モデルの力強さを両立させているのが最大のコンセプトです。
その性能を支える心臓部には、高効率なブラシレスモーターが採用されています。 これは従来のブラシ付きモーターと比較して、多くの利点を持つ先進的な技術です。

ブラシレスモーターの主なメリット
- 長寿命・メンテナンスフリー:
摩耗部品であるカーボンブラシが無いため、モーター自体の寿命が長く、面倒なブラシ交換の手間もありません。 - ハイパワー&小型化:
エネルギー効率が非常に高く、コンパクトな設計でも大きなパワーを引き出すことができます。
BIDZ-20の小型ボディと170N・mのトルクは、まさにこの技術の賜物です。 - 優れたバッテリー効率:
電力のロスが少ないため、一度の充電でより多くの作業をこなせます。
バッテリーの持ちが良いことは、作業効率の向上に直結します。
これまで「DIY用はパワーが物足りない」「プロ用は高すぎる」と感じていた方々にとって、BIDZ-20はまさに待望のモデルと言えるでしょう。
バッテリーの仕様と注意点
電動工具の使い勝手を左右するバッテリー。 その性能は作業効率に直結するだけに、詳細なスペックの確認は欠かせません。 BIDZ-20に付属するバッテリー(BZ-1820L)の主な仕様は、電圧18V、容量2,000mAhです。
この2,000mAhという容量は、DIY用途において非常にバランスの取れたスペックです。 例えば、ウッドデッキ製作で多用する90mmのコーススレッドを杉材に打ち込むような作業でも、数十本単位で連続作業をしても余裕があるレベル。 一日のDIY作業であれば、多くの場合一度の充電で十分に対応可能です。
さらに、このバッテリーには電池残量を確認できるインジケーターが搭載されています。 作業前にボタンを押すだけでランプが点灯し、充電状況を簡単に把握できるため、「作業を始めた途端にバッテリー切れ」といったDIYでありがちなストレスを未然に防ぐことができます。 充電時間は約60分と、こちらも標準的な性能を確保しています。

最大の注意点:バッテリーの互換性
BIDZ-20、ひいてはPowerZ20シリーズを選ぶ上で、絶対に理解しておくべき最も重要な点がバッテリーの互換性です。 この新シリーズ専用バッテリーは、京セラの他の18Vシリーズとは一切互換性がありません。 この点については、次の見出しでさらに詳しく解説します。
京セラ バッテリーの互換性
前述の通り、BIDZ-20が採用している「PowerZ20」シリーズのバッテリーは、京セラの既存18Vシリーズ製品(BID-1805など)との互換性が全くありません。
なぜメーカーは互換性を無くすという、ユーザーにとって一見不便な選択をしたのでしょうか。 その理由は、BIDZ-20に搭載された新しいブラシレスモーターと制御基板の性能を最大限に引き出すためと考えられます。 モーターの性能に最適化された電力供給や、細やかな電子制御を行うために、バッテリーシステムも一新する必要があったと推測されます。
この仕様変更は、ユーザーにとって以下のような影響を及ぼします。
- メリット:工具本体の性能を最大限に引き出せる。
- デメリット:既存の京セラ18Vバッテリー資産を流用できない。
これから京セラの電動工具で揃えていきたいと考えている新規ユーザーの方にとっては、高性能な新シリーズを選べるので問題ありません。 しかし、既にBID-1805などのバッテリーを複数お持ちのヘビーユーザーの方は、バッテリーシステムが2系統になってしまうことを覚悟するか、既存システムに対応したモデルを選び続けるか、という判断が必要になりますね。

京セラ製の評価をチェック
新しいモデルの真価を知るには、実際に使用したユーザーの生の声が最も参考になります。 インターネット上のレビューを総合的に分析し、BIDZ-20の客観的な評価をメリットとデメリットに分けて詳しくまとめました。
BIDZ-20のメリット(良い評価)
多くのユーザーから絶賛されているのは、やはりその驚異的なコストパフォーマンスです。 1万円強という価格で、プロ機に匹敵するブラシレスモーター搭載の18Vインパクトドライバーが手に入る点は、他メーカーの同クラス製品と比較しても際立っています。
- 秀逸なデザイン:
マットな質感の黒いボディは精悍でプロ用工具のような所有感を満たしてくれます。 - 圧倒的なパワーとスピード:
旧モデルと比較して、ネジの打ち込み速度が明らかに速く、高負荷な作業も楽々とこなせるパワーが評価されています。 - 絶妙なトリガーフィール:
引き金の反応が良く、回転の微調整が非常にスムーズ。
これにより、ネジの頭をなめたり、デリケートな部材を傷つけたりするリスクを低減できます。 - 便利な2段階速度切り替え:
Highモードのフルパワーだけでなく、Lowモードで回転数を抑えた丁寧な作業も可能。
作業内容に応じて使い分けられる点が便利です。

BIDZ-20のデメリット(悪い評価)
一方で、価格を抑えるためにいくつかの機能が削られている点や、使用感に関するシビアな意見も見受けられます。 これらを事前に把握しておくことで、購入後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。
- バッテリーシステムの孤立:
前述の通り、従来機との互換性がなく、シリーズの今後の広がりも未知数である点が最大の懸念点として挙げられています。 - 割り切った機能省略:
LEDライトが非搭載な点は、屋根裏や床下など暗所での作業が多いユーザーにとっては致命的な欠点となり得ます。
また、プロ機では標準装備のベルトフックやストラップも取り付けられません。 - 使用感に関する指摘:
個体差の可能性もありますが、先端のビットブレ(回転時のブレ)や、従来機より大きめの振動を指摘する声があります。
精密な作業を求めるユーザーは注意が必要です。 - 好みが分かれるモーター音:
ブラシレスモーター特有の甲高い作動音が、一部のユーザーには好ましくないと受け取られているようです。
京セラBIDZ-20のレビュー
ここでは、BIDZ-20の性能を客観的な数値で示す、基本的なスペックについて詳しく見ていきましょう。 各スペックが実際の作業にどう影響するのかも併せて解説します。
最大締付トルク | 170N・m |
---|---|
モーター | ブラシレスモーター |
回転数 (min-1) | High: 0~3,500 / Low: 0~2,300 |
打撃数 (min-1) | High: 0~3,500 / Low: 0~2,800 |
ネジ締め能力 | 小ネジ: M4~M8 / 普通ボルト: M5~M14 |
質量 | 1.35kg (電池パック含む) |
サイズ | 長さ142×幅62×高さ234mm |
付属品 | 電池パック(BZ-1820L: 2,000mAh)×1, 充電器(BCZ1800L), +ビット(No.2×65mm) |

特筆すべきは、やはり最大トルク170N・mという圧倒的なパワーです。 これは、2x4材を組み合わせるウッドデッキ作りや、太いコーススレッドを硬い木材に打ち込むような、DIYの中でも特に負荷の高い作業で真価を発揮します。
また、クラス最高水準の最大回転数3,500min-1は作業スピードに直結し、多くのネジをテンポよく打ちたい場面で時間短縮に大きく貢献します。 全長142mmというコンパクトさは、壁際や角など狭いスペースでの作業性を高め、取り回しの良さにつながります。 ただし、付属品に専用のキャリングケースは含まれていません。コストダウンの一環であり、保管や持ち運びには別途ツールボックスなどが必要になる点は留意すべきです。
インパクトドライバー18v BIDZ 20を他機種と比較
- BID-1805との違い
- タイヤ交換は可能か?トルクを検証
- ドライバドリル BDZ-20との組み合わせ
- アマゾンなどでの販売価格
- 【まとめ】インパクトドライバー18v BIDZ 20は買いか
BID-1805との違い
BIDZ-20の実力をより深く理解するために、長年DIYユーザーに支持されてきた従来モデルBID-1805との直接比較は欠かせません。 両者の違いを多角的に見ていきましょう。
項目 | BIDZ-20 (新型) | BID-1805 (従来型) |
---|---|---|
モーター | ブラシレス | ブラシ付き |
最大トルク | 170 N・m | 165 N・m |
回転数 | 0~3,500 min-1 | 0~2,500 min-1 |
サイズ (長さ) | 142 mm | 157 mm |
質量 | 1.35 kg | 1.4 kg |
付属品 | ケースなし, 電池×1 | ケース付き, 電池×2 |
バッテリー互換性 | Z20シリーズのみ | 従来の18Vシリーズ |

スペックを比較すれば、BIDZ-20が基本性能のあらゆる面でBID-1805を凌駕していることは一目瞭然です。 特に、ブラシレスモーター化によるパワー、スピード、コンパクト化の実現は、単純な数値以上の使用感の向上をもたらします。 メンテナンス面でも、摩耗部品であるカーボンブラシの交換が不要なBIDZ-20に軍配が上がります。
一方で、BID-1805が持つ大きなアドバンテージは、付属品の充実度です。 標準でバッテリーが2個と専用ケースが付属するため、購入してすぐにハードな作業にも対応できます。 純粋な本体性能と最新技術を求めるならBIDZ-20、予備バッテリーやケースを含めた「すぐに使える一式」としてのコストパフォーマンスを重視するなら、BID-1805も依然として魅力的な選択肢です。


タイヤ交換は可能か?トルクを検証
「最大トルク170N・m」という数値を見ると、「これ一台で車のタイヤ交換もできるのでは?」と期待する方も少なくないでしょう。
結論から申し上げますと、スペック上のトルクは足りていますが、安全上の理由から推奨はできません。
一般的な乗用車のホイールナットを締めるのに必要なトルクは、車種にもよりますが約100~120N・mです。 固着したナットを緩めるにはそれ以上の力が必要になることもありますが、BIDZ-20の最大トルク170N・mなら、ほとんどの場合で緩めることは可能です。 問題は、締め付ける際のトルク管理にあります。

安全に関する最重要事項
インパクトドライバーは打撃の力でネジを回すため、トルクレンチのように「カチッ」と音が鳴って知らせてくれる機能はありません。 感覚で締め付けると、締め付けが強すぎてボルトを傷めたり(オーバートルク)、逆に弱すぎて走行中にタイヤが外れたりする(トルク不足)という、重大な事故につながる危険性が極めて高いのです。
タイヤ交換の際の最終的な本締めは、必ず国の基準に適合したトルクレンチを使用し、メーカー指定のトルク値で手作業で行ってください。インパクトドライバーの使用は、あくまでナットを軽く緩める、あるいは仮締めするまでの補助的な役割に限定すべきです。
ドライバドリル BDZ-20との組み合わせ
BIDZ-20と同じ「PowerZ20」シリーズには、双子のような存在である充電式ドライバドリル BDZ-20がラインナップされています。 この2つの工具を適切に使い分けることで、DIYのクオリティは飛躍的に向上します。
- インパクトドライバー (BIDZ-20):
回転+打撃。得意技はパワープレー。
長いネジや太いボルトをスピーディーかつ強力に締め込む作業に最適です。 - ドライバドリル (BDZ-20):
回転のみ。得意技は繊細なコントロール。
木材や金属への正確な穴あけや、締め付けトルクを細かく調整したいデリケートなネジ締めに威力を発揮します。
BDZ-20の最大の特徴は、17段階で締め付けトルクを調整できるクラッチ機能です。 これは設定したトルクに達すると、モーターの力がビットに伝わらなくなり「ジーッ」と空転する仕組み。 これにより、柔らかい木材へのネジ締めや、カラーボックスのような化粧板を使った家具の組み立てで、ネジを締めすぎて部材を割ってしまう失敗を防ぎます。

理想的な使い分けシーン
例えばウッドフェンスを作る場合、支柱を立てるための下穴あけはドリルドライバーで正確に、太い支柱固定ボルトの締め付けはインパクトドライバーで力強く、そして板を張る際の繊細なビス打ちは、またドリルドライバーのクラッチ機能で綺麗に仕上げる、といった使い分けが理想的です。

アマゾンなどでの販売価格
BIDZ-20のメーカー希望小売価格は15,500円(税別)に設定されています。
しかし、Amazonや楽天市場といった大手ECサイトや、コメリなどホームセンターのオンラインストアでは、より購入しやすい価格で販売されています。 調査した時点(2025年3月)では、実売価格としておおよそ11,000円~12,000円(税込・送料無料)が相場のようです。
他メーカーの18Vブラシレスモーター搭載インパクトドライバーが、エントリーモデルでも2万円以上することが多い中、この価格設定はまさに「破格」と言っても過言ではありません。 もちろん、価格はセールや在庫状況によって変動するため、購入を検討する際は複数のショップを比較し、最も条件の良いタイミングを見計らうことをお勧めします。

【まとめ】インパクトドライバー18v BIDZ 20は買いか
これまでの情報を総合すると、京セラ BIDZ-20は「ユーザーの目的と状況に合致すれば、これ以上ないほど魅力的な一台」であると結論付けられます。
最大の強みは、繰り返しになりますがその圧倒的なコストパフォーマンスです。 DIY用としてはオーバースペックとも言えるブラシレスモーターと170N・mのハイパワーを、1万円強で手に入れられるという事実は、他のどのメーカーも真似できない大きな魅力です。 「初めてインパクトドライバーを買うけれど、安物買いの銭失いはしたくない」「今の工具のパワーに不満がある」といった方々にとって、まさに最適な答えとなるでしょう。
ただし、その安さには理由があります。 従来機とのバッテリー互換性を切り捨てたこと、そしてLEDライトやベルトフックといった、あると便利な機能が省略されていることは、購入前に必ず受け入れる必要があります。 特に、既に京セラの18Vバッテリーを複数所有しているユーザーにとっては、メリットよりもデメリットが上回る可能性も否定できません。
これらのトレードオフを十分に理解した上で、「自分にはバッテリー互換性は不要」「ライトは別で用意する」と割り切れるのであれば、BIDZ-20はあなたのDIYライフを、よりパワフルで快適なものに変えてくれる最高の相棒となるはずです。
- 京セラのDIY向け新シリーズ「PowerZ20」の中核モデル
- プロ機に採用される高効率なブラシレスモーターを搭載
- 最大締付トルクはDIYには十分すぎる170N・mのハイパワー
- 全長142mmの小型軽量設計で狭い場所でも取り回しが良好
- 作業内容に応じて使い分けられるHigh/Lowの2段階速度切り替え機能
- バッテリーには便利な残量表示ランプが付いている
- 購入における最大の注意点は従来機とのバッテリー互換性が無いこと
- 暗所作業で不便を感じる可能性があるLEDライト非搭載仕様
- プロ機では標準のベルトフックやストラップの取り付けも不可
- 付属品に専用ケースは含まれずコストを抑えた化粧箱での提供
- 実売価格1万円強という同クラスでは群を抜くコストパフォーマンス
- 従来の人気モデルBID-1805よりも全ての基本性能で大きく進化
- 一部ユーザーからは使用時の振動やビットブレの大きさが指摘されている
- PowerZ20シリーズの今後の製品展開が未知数である点は懸念材料
- 同シリーズのドライバドリルBDZ-20と揃えることで作業の幅が大きく広がる