インパクトドライバーを選ぼうとしたとき、「インパクトドライバーは何Vがいいですか?」という疑問は多くの方が抱く最初の壁ではないでしょうか。
特にプロの現場でもDIYでも主流となっている18Vと、よりパワフルな36Vの選択は悩ましい問題です。
インパクト ドライバー 18v と 36v の 違いを理解しないまま選んでしまうと、作業効率が落ちたり、オーバースペックで無駄な出費になったりする可能性もあります。
中には、36V インパクトは強すぎるのではないかという懸念を持つ方もいるでしょう。
また、メーカーごとの特性、例えばマキタの18Vと36Vの違いや、さらにパワフルなマキタの18Vと40Vのどっちがいいかという比較、ハイコーキのインパクトドライバー36v新製品の情報も気になるところです。
バッテリーの互換性、特にハイコーキのインパクトにおける互換性(18vに36vバッテリーは使えるのか)や、ハイコーキの36Vと18Vバッテリーの仕組み、さらにはインパクトドライバーとボルト締めの関係、WH18DCとWH36DCの違いといった具体的な機種比較まで、知りたい情報は多岐にわたります。
この記事では、これらの疑問に専門家の視点から分かりやすくお答えし、あなたに最適な一台を見つけるお手伝いをします。
- 18Vと36Vの基本的な性能差
- 主要メーカー(ハイコーキ・マキタ)の製品特徴と違い
- バッテリーの互換性と選び方の重要ポイント
- 用途や目的に合わせた最適な電圧の選び方
本記事の内容
基本で見るインパクト ドライバー 18v と 36v の 違い
- インパクトドライバーは何Vがいいですか?
- ボルトによる違い
- 36Vは強すぎるという懸念
- ハイコーキの36Vと18Vバッテリーとは
- ハイコーキバッテリーの互換性(18vに36v)
インパクトドライバーは何Vがいいですか?
インパクトドライバー選びで最も基本的な指標となるのが電圧(V)です。
結論から言うと、「どのような作業を主に行うか」によって最適な電圧は異なります。
電圧はモーターを動かす力の源であり、「電圧(V)が高い = パワーが強い」と考えるのが基本です。
しかし、パワーが強ければ良いというわけではなく、重量、サイズ、価格とのバランスを考える必要があります。

電圧ごとの主な用途
7.2V~10.8V:
ペン型ドライバーなどに見られる電圧です。
家具の組み立てなど、パワーを必要としない軽作業に向いています。非常に軽量で取り回しが良いのが特徴です。
14.4V:
少し前までのDIYモデルの主流でした。現在でも十分なパワーを持ち、軽作業からある程度の木工作業までこなせます。
18V:
現在のプロ向けモデルの主流であり、本格的なDIYにも最もおすすめされる電圧です。
パワー、作業量、取り回し、製品ラインナップの豊富さなど、全ての面でバランスが取れています。
36V(マキタは40Vmax):
建築現場での土台緊結や長ネジの打ち込みなど、特に高いパワーを必要とする重作業向けの電圧です。
連続作業でもパワーが落ちにくいという利点があります。
下の表は、電圧ごとの特徴をまとめたものです。
電圧 | 主な用途 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
14.4V | DIY、軽作業 | 軽量、安価、取り回しが良い | パワーが低い、 連続作業に不向き |
18V | 本格的なDIY、 プロの現場 | パワーと重量のバランスが良い、 製品数が豊富 | 36V機にはパワーで劣る |
36V | プロの重作業、 連続作業 | 非常にパワフル、 作業スピードが速い | 重い、高価、 オーバースペックになる場合がある |
このように、インパクトドライバーを選ぶ際は、まず18Vを基準に考え、より手軽さを求めるなら14.4V以下、よりパワーを求めるなら36Vを検討するという流れが分かりやすいでしょう。
ボルトによる違い
インパクトドライバーの「ボルト(V)」、つまり電圧の違いは、工具の性能に直接的な影響を与えます。
主な違いは、「パワー(トルク)」、「作業スピード」、そして「連続作業時の持久力」の3点です。
パワー(最大締付トルク)
電圧が高いほど、モーターはより強力な回転力を生み出すことができます。
これは「最大締付トルク」という数値(単位:N・m)で表され、数値が大きいほど強く締め付けることが可能です。
例えば、18V機の最大トルクが180N・m程度であるのに対し、36V機では200N・mを超えるモデルも存在します。
この差は、硬い木材に長いビスを打ち込んだり、固く締まったボルトを緩めたりする際に、作業の可否を分けることがあります。
作業スピード
高電圧モデルは、同じ負荷の作業でも回転数が落ちにくく、結果として作業スピードが向上します。
多数のネジを連続で打ち込むような作業では、1本あたりの作業時間がコンマ数秒違うだけでも、全体の作業時間に大きな差となって現れます。
豆知識:高電圧化によるモーター効率の向上
少し専門的な話になりますが、電圧を高くすると、同じ仕事(パワー)をするために必要な電流を低く抑えることができます(電力=電圧×電流)。
電流が低いと、モーター内部の電力損失や発熱が少なくなり、エネルギー効率が向上します。
これにより、バッテリーの持続時間が伸びたり、連続作業でモーターが熱を持ちにくくなったりするというメリットが生まれるのです。
連続作業時の持久力
前述の通り、36Vモデルはモーターの発熱が抑えられる傾向にあります。
そのため、夏場の屋外作業や高負荷な作業を長時間続ける場合でも、18Vモデルに比べて熱による性能低下や停止が起こりにくく、粘り強く作業を続けることができます。
これらの理由から、電圧(ボルト)の違いは単なるパワーの差だけでなく、作業全体の効率や快適性に大きく関わってくる重要な要素と言えるのです。

36Vは強すぎるという懸念
「36Vのパワーは魅力的だけど、自分の作業には強すぎるのでは?」という懸念は、特にDIYユーザーや内装工事など繊細な作業を行う職人さんから聞かれます。
確かに、最大パワーでネジを締めると、ネジの頭を飛ばしてしまったり(カムアウト)、木材などの部材を割ってしまったりするリスクは18V機よりも高くなります。
しかし、現在のインパクトドライバーは非常に高性能化しており、その懸念は各種のモード切替機能によって解消されています。
例えば、HiKOKI(ハイコーキ)やマキタの最新モデルには、以下のような機能が搭載されています。
パワーを制御する主なモード
パワー切替:
「強・中・弱」のように、単純に打撃力を数段階で切り替える基本的な機能です。
テクスモード:
ビスが貫通した瞬間に自動で打撃を停止し、ネジの締め過ぎを防ぎます。薄い鋼板への作業で効果を発揮します。
ボルトモード:
ボルトを緩める際に、ナットが外れると自動で回転を停止し、ナットの落下を防ぐ機能です。
木材モード・楽らくモード:
最初はゆっくり回転し、ビスが食い込んでからは一気に最高速で締め付け、最後にまた低速になるなど、材料やネジの種類に合わせて最適な締め付けを自動で行います。
このように、36Vインパクトドライバーはただパワフルなだけでなく、その強大なパワーを繊細にコントロールする機能を備えています。
これらの機能を使いこなすことで、パワーが必要な場面では36Vの恩恵を最大限に受け、デリケートな作業では部材を傷つけないように調整することが可能です。
注意点:重量とサイズの増加
パワー制御は可能ですが、36V機は18V機に比べてバッテリーが大きく、本体も重くなる傾向があります。
特に上向きでの作業や長時間の連続作業では、この重量差が腕への負担としてのしかかってくる可能性があります。
パワーだけでなく、実際の取り回しも考慮して選ぶことが重要です。
結論として、36Vインパクトは「強すぎる」のではなく、「強いパワーを必要に応じて引き出せる、懐の深い工具」と考えるのが適切でしょう。
ただし、そのパワーを活かすには、工具の機能を正しく理解し、使いこなすことが前提となります。
ハイコーキの36Vと18Vバッテリーとは
HiKOKI(ハイコーキ)のバッテリーシステムを理解する上で、最も重要なキーワードが「マルチボルトバッテリー」です。
これは、HiKOKIが展開する非常に画期的なシステムであり、18Vと36Vの工具選びに大きな影響を与えます。
結論から言うと、マルチボルトバッテリーは1つのバッテリーで36Vと18V、両方の電圧に対応できるという特徴を持っています。

マルチボルトバッテリーの仕組み
マルチボルトバッテリーは、装着された工具が36V対応か18V対応かを自動で判別します。
そして、判別結果に応じてバッテリー内部の回路を切り替え、最適な電圧を供給する仕組みになっています。
36Vの工具に装着した場合:
「36V - 2.5Ah」のバッテリーとして動作
18Vの工具に装着した場合:
「18V - 5.0Ah」のバッテリーとして動作
※これは標準的なBSL36A18バッテリーの場合です。Ah(アンペアアワー)はバッテリーの容量(スタミナ)を表します。
つまり、ユーザーはバッテリーを買い替えることなく、手持ちの18V工具と新しく購入した36V工具の両方で同じバッテリーを使い回すことができるのです。
これは、工具を少しずつ36Vへ移行していきたいプロユーザーにとって、非常に大きなメリットとなります。
現在、主に流通しているマルチボルトバッテリーは以下の2種類です。
型番 | 36V時 | 18V時 | 特徴 |
---|---|---|---|
BSL36A18 | 36V - 2.5Ah | 18V - 5.0Ah | 標準タイプ。 サイズ・重量は従来の18Vバッテリーとほぼ同じ。 |
BSL36B18 | 36V - 4.0Ah | 18V - 8.0Ah | 高容量タイプ。 長時間の作業に対応するが、大きく重くなる。 |


注意:従来の36Vバッテリーとの互換性はない
マルチボルトシステムが登場する以前にも、HiKOKI(旧日立工機)には36Vのバッテリーが存在しました。
しかし、それらの旧型36Vバッテリーとマルチボルトバッテリー、および対応工具の間に互換性はありませんので注意が必要です。
このマルチボルトバッテリーの存在により、HiKOKIの工具選びは非常に柔軟なものとなっています。
18Vと36Vの垣根を低くし、ユーザーがパワーと利便性を両立させやすい環境を提供しているのが最大の特徴です。
ハイコーキバッテリーの互換性(18vに36v)
「手持ちの18Vインパクトに、36Vのマルチボルトバッテリーは使えるの?」という疑問は、HiKOKI(ハイコーキ)ユーザーにとって非常に関心の高いポイントです。
結論は、「はい、使用できます」となります。
前述の通り、HiKOKIのマルチボルトバッテリーは、装着した工具を自動で判別する機能を持っています。
そのため、18Vのインパクトドライバーにマルチボルトバッテリー(例:BSL36A18)を装着すると、バッテリーは自動的に電圧を18Vに切り替えます。
このとき、バッテリーは「18V-5.0Ah」の高容量バッテリーとして振る舞うため、従来の18Vバッテリーと同じように、あるいはそれ以上のスタミナで作業を行うことが可能です。
これは非常に便利ですね。
例えば、普段は18Vのインパクトを使い、時々36Vの丸のこなどハイパワーな工具も使いたい、という場合でも、バッテリーはマルチボルトバッテリーを1~2個持っていれば済むわけです。
ただし、この互換性にはいくつか注意すべき点があります。
互換性に関する重要事項
1. パワーアップはしない:
18Vの工具にマルチボルトバッテリーを付けても、工具の性能が36V相当にパワーアップするわけではありません。あくまで18V工具として動作します。
2. 逆の互換性はない:
従来の18V専用バッテリーを、36Vの工具に装着して使用することはできません。36V工具を動かすにはマルチボルトバッテリーが必須です。
3. 一部の旧機種では物理的に干渉する場合がある:
ごく一部の古い18V製品では、バッテリーの形状がわずかに違うため、マルチボルトバッテリーが物理的に干渉して装着できないケースが報告されています。特に高容量タイプの「BSL36B18」は注意が必要です。
まとめると、HiKOKIのシステムは「新しい(マルチボルト)は大を兼ねるが、古い(18V専用)は小しか動かせない」と覚えると分かりやすいでしょう。
この優れた後方互換性により、ユーザーは既存の18V工具という資産を無駄にすることなく、最新の36Vシリーズへとスムーズにステップアップすることが可能になっています。

メーカー比較:インパクトドライバーの18vと36vの違い
- マキタの18Vと36Vの違いを比較
- マキタの18Vと40Vのどっちがいい?
- WH18DCとWH36DCの違いを解説
- ハイコーキのインパクトドライバー36v新製品
マキタの18Vと36Vの違いを比較
電動工具の最大手であるマキタは、HiKOKI(ハイコーキ)とは異なるアプローチで高電圧化を進めています。
マキタのラインナップを比較する際、厳密には「36V」というシリーズは2つの意味を持つため、注意が必要です。
それは、「18Vバッテリーを2本直列に繋いで36Vとして使うシリーズ」と、「40Vmaxという新しいバッテリープラットフォーム」です。
インパクトドライバーにおいては、後者の40Vmaxシリーズが実質的な36Vモデルに相当します。

マキタの電圧戦略:独立したプラットフォーム
HiKOKIがマルチボルトバッテリーで18Vと36Vの互換性を持たせているのに対し、マキタは18Vシリーズと40Vmaxシリーズを完全に独立したラインナップとして展開しています。
つまり、バッテリーや充電器に互換性は一切ありません。
18Vシリーズ:
世界で最も普及している充電工具シリーズの一つ。
圧倒的な製品ラインナップが魅力で、インパクトドライバーから園芸工具、掃除機まであらゆる工具が揃っています。
40Vmaxシリーズ:
プロ向けの次世代ハイパワーシリーズ。
バッテリーの定格電圧は36Vです。高負荷な作業で18Vを凌駕する性能を発揮するように設計されています。
両者のインパクトドライバーを比較すると、以下のような違いが見られます。
18Vシリーズ(例:TD173D) | 40Vmaxシリーズ (例:TD002G) | |
---|---|---|
最大トルク | 180 N・m | 220 N・m |
バッテリー | 18Vバッテリー | 40Vmaxバッテリー(互換性なし) |
特徴 | バランスに優れ、あらゆる作業に対応。 業界トップクラスの製品数。 | 圧倒的なパワーとスピード。 高負荷・連続作業に強い。 |
主なユーザー | DIY、内装、電気工事、設備、プロ全般 | 建築、土木、解体など特にパワーを要するプロ |
マキタを選ぶ場合は、「18Vでシステムを構築するか」「40Vmaxでシステムを構築するか」という、明確な選択が必要になります。
一度どちらかのシリーズで工具を揃え始めると、もう一方のシリーズに乗り換えるのはコストがかかるため、最初の選択が非常に重要です。
パワーや最新機能を追求するなら40Vmax、製品の豊富さや既存の工具との連携を重視するなら18Vというのが、基本的な考え方になるでしょう。


マキタの18Vと40Vのどっちがいい?
マキタの工具でシステムを組む際に、多くのプロユーザーが直面するのが「18Vと40Vmax、どちらのプラットフォームを選ぶべきか」という問題です。
これは非常に重要な選択であり、あなたの主な仕事内容や将来的な拡張性を考慮して慎重に決める必要があります。
結論として、一概にどちらが優れているとは言えず、ユーザーの状況によって最適な答えは異なります。
18Vシリーズがおすすめな人
- すでに18Vのバッテリーや工具を多数所有している人:
最大のメリットは、既存の資産をそのまま活かせる点です。
バッテリーを使い回せるため、コストを抑えて工具を増やせます。 - 内装工事や電気工事など、取り回しを重視する職人:
40Vmaxに比べて工具が軽量・コンパクトな傾向にあり、軽快な作業が可能です。 - 幅広い種類の工具を使いたい人:
インパクトや丸のこだけでなく、掃除機、ブロワ、コーヒーメーカーまで、40Vmaxシリーズにはない多様な製品が揃っています。 - 本格的なDIYユーザー:
プロの現場でも通用する十分な性能を持ちながら、オーバースペックになりにくいのが18Vの魅力です。
40Vmaxシリーズがおすすめな人
- 建築大工や土木作業など、常に高負荷な作業を行うプロ:
基礎工事での太いボルト締めや、硬い材料への長ビス打ち込みなど、18Vではパワー不足を感じる場面で絶大な効果を発揮します。 - 作業スピードと効率を最優先する人:
単純な締め付けスピードや切断スピードは、多くの場面で40Vmaxが18Vを上回ります。 - これからプロとして工具を一式揃える人:
初期投資は高くなりますが、将来性や最高のパフォーマンスを考えれば、最初から40Vmaxで揃えるのは合理的な選択です。 - AC電源の工具からの置き換えを検討している人:
コード式の工具に匹敵する、あるいはそれを超えるパワーを充電式で実現したい場合に最適です。
「18V×2本=36V」シリーズとの関係
マキタには、18Vバッテリーを2本装着して36Vとして使用する製品群(充電式丸のこや草刈機など)も存在します。
これらは18Vのバッテリー資産を活かして高出力を得られる便利なシリーズですが、40Vmaxとはまた別の系統です。
インパクトドライバーにはこのシリーズはありませんが、他の工具を選ぶ際には混同しないよう注意が必要です。
自身の作業内容を分析し、「18Vのパワーで十分か、それとも将来的に不足する可能性があるか」を見極めることが、最適な選択への近道となります。
WH18DCとWH36DCの違いを解説
HiKOKI(ハイコーキ)のインパクトドライバーの中でも、特に比較検討されることが多いのが18Vモデルの「WH18DC」と36Vモデルの「WH36DC」です。
この2機種は外観が非常によく似ており、基本的な設計思想も共通していますが、電圧の違いからくる性能差や機能の違いが存在します。
※なお、WH36DCは後継機としてWH36DDが登場していますが、現在も市場に流通しており、価格面から比較対象となることが多い人気モデルです。
結論から言うと、実売価格に大きな差がないため、特別な理由がなければ性能と機能で勝るWH36DCを選ぶ方が合理的と言えます。
両機種の主な違いを下の表にまとめました。
項目 | WH18DC (18V) | WH36DC (36V) |
---|---|---|
最大トルク | 180 N・m | 200 N・m |
最大回転数 | 3,400 回転/分 | 3,700 回転/分 |
Bluetooth連携 | 非対応 | 対応 |
本体重量(BSL36A18装着時) | ほぼ同じ (約1.6kg) | |
定価 (本体のみ) | 27,100円 (税別) | 28,200円 (税別) |

性能の違い
表の通り、最大トルクと回転数で36VのWH36DCが上回っています。
これは実際の作業において、よりパワフルでスピーディーな締め付けが可能であることを意味します。特に負荷のかかる作業では、この差が体感として明確に現れるでしょう。
機能の違い
最も大きな違いはBluetooth連携機能の有無です。
WH36DCはBluetoothに対応したバッテリーを装着することで、スマートフォンアプリ「HiKOKI TOOLS」と連携できます。
アプリを使えば、トリガーのフィーリング(遊び)や回転数、LEDライトの挙動などを自分好みに細かくカスタマイズすることが可能です。この機能は、作業へのこだわりが強いプロユーザーにとって大きな魅力となります。
価格の逆転現象に注意
定価ではWH18DCの方がわずかに安いですが、市場での実売価格は非常に近接しており、セールや在庫状況によってはWH36DCの方が安く販売されているケースも珍しくありません。
どちらもマルチボルトバッテリーが使用できることを考えると、価格が同じか、あるいはWH36DCの方が安いのであれば、性能・機能の両面で優れたWH36DCを選ばない理由はほとんどないと言えるでしょう。
WH18DCを選ぶケースとしては、「純粋な18V専用バッテリー(マルチボルトではない軽量タイプ)をメインで使いたい」といった、かなり限定的な状況が考えられます。


ハイコーキのインパクトドライバー36v新製品
HiKOKI(ハイコーキ)は、プロの厳しい要求に応えるため、フラッグシップである36Vマルチボルトシリーズの開発に特に力を入れています。
インパクトドライバーも例外ではなく、常に業界の最先端を行く新製品が投入され続けています。
近年発売された、あるいは注目されている新製品には、以下のような特徴があります。
最新フラッグシップモデル「WH36DD」
前述のWH36DCの後継機として登場したのが「WH36DD」です。
このモデルは、昨今のインパクトドライバーのトレンドを明確に示しています。
WH36DDの主な進化点
- 業界最小・最軽量クラスの実現:
高出力を維持しながら、ヘッド長をさらに短くし、軽量化を達成。狭い場所での取り回しが格段に向上しています。 - ビット振れのさらなる低減:
アンビル(ビットを保持する先端部分)の精度を高め、長いビスを使用する際の「ビット振れ」を大幅に抑制。正確なビス打ちをサポートします。 - 業界最速の締め付けスピード:
モーターと制御技術の進化により、締め付けスピードもさらに高速化しています。
もはやインパクトドライバーの進化は、単純なパワー競争から「いかにそのパワーを正確に、快適に、素早く伝えるか」という次元に移ってきているのが分かりますね。

インパクトレンチなど関連製品の進化
インパクトドライバーだけでなく、ボルトやナットの締め緩めに特化したインパクトレンチの分野でも36Vの新製品開発は活発です。
例えば、新型の「WR36DH」は、クラス最強のトルクと最速の作業スピードを実現し、オートストップ機能やオートスロー機能など、作業ミスを防ぐインテリジェントな機能も搭載されています。

新製品選びのポイント
電動工具の技術革新は非常に速いため、購入を検討する際は、必ず最新のモデル情報をチェックすることが重要です。
1世代前のモデルが安くなっていることもあり魅力的ですが、最新モデルでは作業性を大きく向上させる新機能が搭載されている可能性があります。
カタログスペックの数値だけでなく、「ビット振れ低減」や「新しい制御モード」といった、実際の使い心地に関わる部分に注目すると、より満足度の高い選択ができます。
HiKOKIは今後も36Vマルチボルトシリーズを中核として製品展開を進めていくことが予想され、ユーザーの作業をさらに効率化する革新的なモデルの登場が期待されます。
まとめ:インパクトドライバーの18vと36vの違い
この記事では、インパクトドライバーの18Vと36Vの違いについて、基本性能からメーカーごとの特徴、具体的な機種比較まで詳しく解説してきました。最後に、本記事の要点をまとめます。
- インパクトドライバーのV(ボルト)はパワーの基本指標
- 18Vはパワーと取り回しのバランスに優れ、最も汎用性が高い
- 36Vはプロの重作業や高負荷な連続作業に特化したハイパワーモデル
- 電圧が高いほど最大トルクや作業スピードが向上する傾向にある
- 36Vのパワーはモード切替機能で制御でき、必ずしも「強すぎる」わけではない
- ただし36V機は18V機に比べ重く、高価になるデメリットがある
- HiKOKI(ハイコーキ)の最大の特徴は「マルチボルトバッテリー」
- マルチボルトは1つのバッテリーで18Vと36Vの工具を使い分けられる
- HiKOKIの18V工具にマルチボルトバッテリーを使用することは可能
- マキタは18Vと40Vmax(36V)を互換性のない独立シリーズとして展開
- マキタ選びは18Vか40Vmaxか、どちらのシステムで揃えるかが重要
- HiKOKIのWH18DCとWH36DCは価格差が少なく、性能で勝るWH36DCが合理的
- 最新モデルは単なるパワー向上だけでなく、小型化やビット振れ低減も進化
- 工具選びは自身の主な作業内容と予算、将来の拡張性を考慮することが最も重要
- 最終的な選択は、この記事の情報を参考に、最適な一台を見極めることが大切