エア コンプレッサー・0.8 MPaの購入を検討しているけれど、そもそもコンプレッサーのMPaとは何なのか、自分の用途に合うコンプレッサーの適正圧力はどのくらいなのか、悩んでいませんか?また、エアツールの使用圧力との関係や、0.8MPa kPa換算の考え方、使っているうちにエアーコンプレッサーの圧力が低下する原因とは何かなど、専門的な内容で疑問は尽きないかもしれません。
この記事では、0.8MPaのエアコンプレッサーに関する基本的な知識から、用途に合わせた最適な選び方、さらには注意点まで、専門的な視点から分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたにぴったりの一台を見つけるための確かな知識が身につくでしょう。
- 0.8MPaコンプレッサーの圧力単位に関する基本知識
- タイヤ交換や塗装など用途別の最適なコンプレッサー選びのコツ
- 圧力低下といったトラブルの原因と簡単な対処法
- 静音性やオイルレスなど機能によるモデルの違いと選び方

本記事の内容
エア コンプレッサー 0.8 MPaの基本と圧力知識
- まずは基本!コンプレッサーのMPaとは?
- 単位を理解する!0.8MPa kPaへの換算
- 用途に合う?コンプレッサーの適正圧力は?
- 確認必須!エアツールの使用圧力は?
- タイヤ交換に使える?必要な圧力と容量
- 塗装作業にはオイルフリーが必須の理由
まずは基本!コンプレッサーのMPaとは?
エアコンプレッサーを選ぶ際に必ず目にする「MPa」という単位。これは「メガパスカル」と読み、圧力の強さを示す国際的な単位です。具体的には、1平方メートルあたりにどれくらいの力が加わっているかを表しています。

コンプレッサーにおけるMPaの数値が高いほど、より強い力で空気を圧縮し、吐出できることを意味します。例えば、0.8MPaのコンプレッサーは、1.0MPaのモデルよりも吐出する空気の力は弱いということになります。
この圧力の数値は、使用したいエアツールが要求する圧力と密接に関係してくるため、コンプレッサー選びにおいて最も重要なスペックの一つと言えるでしょう。
ポイント
MPa(メガパスカル)は、エアコンプレッサーが空気を押し出す「力の強さ」を表す単位です。数値が大きいほどパワフルであると理解しておきましょう。
単位を理解する!0.8MPa kPaへの換算
コンプレッサーのスペックを見ていると、MPaの他に「kPa(キロパスカル)」や、少し古い単位ですが「kgf/cm²(重量キログラム毎平方センチメートル)」といった表記を見かけることがあります。これらの単位の関係性を理解しておくと、製品比較がしやすくなります。

まず、MPaとkPaの関係は非常にシンプルです。
1MPa = 1,000kPa
この関係から、0.8MPaは800kPaに換算できます。
また、DIYユーザーにとって馴染み深いかもしれないkgf/cm²との関係も知っておくと便利です。厳密な計算は複雑ですが、実用上は以下の近似値で覚えておけば問題ありません。
圧力単位の換算目安
1MPa ≒ 10.2 kgf/cm²
この式を使うと、0.8MPaは約8.2kgf/cm²となります。下の表に主要な単位の換算をまとめましたので、参考にしてください。
MPa | kPa | kgf/cm² (約) | bar (約) |
---|---|---|---|
0.8 | 800 | 8.2 | 8 |
0.9 | 900 | 9.2 | 9 |
1.0 | 1,000 | 10.2 | 10 |
用途に合う?コンプレッサーの適正圧力は?
「0.8MPaのコンプレッサーで、自分のやりたい作業はできるのだろうか?」これは多くの方が抱く疑問です。結論から言えば、一般的なDIYや軽作業の多くは0.8MPaのコンプレッサーで対応可能です。

例えば、以下のような用途では0.8MPaの圧力は十分な性能を発揮します。
- タイヤの空気入れ
- エアダスターでの清掃
- エアブラシでの小物塗装
- タッカーやフィニッシュネイラでの木工作業
一方で、コンプレッサーの適正圧力は、最終的には「使用するエアツールが要求する圧力」によって決まります。0.8MPaという圧力は、多くのツールにとって十分なパワーですが、一部のプロ用ツールには足りない場合もあります。
注意点
トラックのタイヤ交換や、高圧釘打ち機を使用する建築作業など、より高い圧力を必要とする専門的な作業には、1.0MPa以上の中圧・高圧モデルが必要になる場合があります。必ず使用したいツールの仕様を確認しましょう。
確認必須!エアツールの使用圧力は?
エアコンプレッサーの性能を最大限に活かし、かつ安全に作業を行うためには、使用するエアツールの「適正使用圧力」を必ず確認する必要があります。この情報は、通常エアツールの本体や取扱説明書に記載されています。
例えば、あるエアタッカーの使用圧力が「0.4〜0.8MPa」と記載されている場合、この範囲内の圧力で使うことが推奨されています。

なぜ適正圧力の確認が重要なのか
適正圧力を守らないと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 圧力が低すぎる場合:ツールのパワーが不足し、釘が打ち込めない、ボルトが緩まないなど、正常な作業ができません。
- 圧力が高すぎる場合:ツールに過剰な負荷がかかり、故障や破損の原因になります。最悪の場合、部品が破損して飛び散るなど、重大な事故につながる危険性もあります。
多くのコンプレッサーには「レギュレーター(圧力調整器)」が付属しています。0.8MPaのコンプレッサーから、レギュレーターを使って0.6MPaに圧力を下げてツールを使用する、といった調整が可能です。この機能を活用し、各ツールに合った最適な圧力で作業することが、安全と効率の両立につながります。
タイヤ交換に使える?必要な圧力と容量
「0.8MPaのエアコンプレッサーで自動車のタイヤ交換はできますか?」という質問は非常によくあります。
結論として、圧力の観点では全く問題なく使用できます。
その理由は、一般的な乗用車のタイヤに充填する空気圧は、おおよそ0.22〜0.27MPa(220〜270kPa)程度だからです。0.8MPaの最高圧力を持つコンプレッサーは、この数値を大幅に上回っており、空気を入れる能力としては十分すぎるほどです。

ただし、「インパクトレンチを使ってタイヤの脱着を行う」場合は、圧力だけでなく別のスペックが重要になります。それが「吐出空気量」と「タンク容量」です。
インパクトレンチは、回転する瞬間に大量の空気を一気に消費します。そのため、コンプレッサーが空気を送り出す量(吐出空気量)や、貯めておける空気の量(タンク容量)が少ないと、すぐにパワー不足になりレンチが止まってしまいます。
快適にタイヤ交換作業を行うためには、以下のスペックを目安にすると良いでしょう。
タイヤ交換におすすめのコンプレッサースペック目安
- 最高圧力:0.8MPa以上
- タンク容量:30L以上
- 馬力(出力):1馬力(0.75kW)以上
圧力は0.8MPaで十分ですが、インパクトレンチをストレスなく使いたいのであれば、タンク容量と馬力の大きいモデルを選ぶことが重要です。
塗装作業にはオイルフリーが必須の理由
エアブラシやスプレーガンを使った塗装作業にエアコンプレッサーを使用する場合、圧力やタンク容量もさることながら、最も重視すべきなのは「オイルフリー(オイルレス)式」であるかどうかです。
結論から言うと、塗装作業にはオイルフリー式のコンプレッサーが必須です。
エアコンプレッサーには、内部の潤滑にオイルを使う「給油式」と、オイルを使わない「オイルフリー式」の2種類があります。給油式は耐久性が高いというメリットがありますが、吐出される圧縮空気にごく微量のオイルミストが混入してしまいます。
このオイルミストが塗装作業において大敵となります。

給油式コンプレッサーを塗装に使うリスク
圧縮空気に含まれる油分が塗料と混ざり、塗装面に付着すると、塗料を弾いて「ハジキ」と呼ばれるクレーターのような窪みができたり、塗装ムラの原因になったりします。美しい仕上がりを目指す塗装作業において、これは致命的な欠陥です。
そのため、プラモデルのエアブラシ塗装から自動車の本格的なスプレーガン塗装まで、仕上がりの品質を求めるなら必ずオイルフリー式のコンプレッサーを選びましょう。
用途で選ぶエア コンプレッサー 0.8 MPaと注意点
- エアーコンプレッサーの圧力が低下する原因とは?
- 連続作業で重要になるタンク容量の選び方
- 住宅街で使うなら静音モデルを選ぼう
- DIYで人気!オイルレスモデルの特徴
- まとめ:最適なエアコンプレッサー0.8MPaを選ぼう
エアーコンプレッサーの圧力が低下する原因とは?
「最初は調子良かったのに、最近圧力が上がりにくい」「エアツールを使っているとすぐに圧力が下がってしまう」といった症状は、エアコンプレッサーでよくあるトラブルです。エアーコンプレッサーの圧力が低下する原因は、主に以下の4つが考えられます。

1. エア漏れ
最も一般的な原因です。コンプレッサー本体とホースの接続部分、ホースとエアツールの接続部分、またはホース自体の亀裂などから空気が漏れていると、タンクに圧力が貯まりにくくなります。接続部を締め直したり、石鹸水を塗布して泡が出る箇所がないか確認したりすることで、漏れ箇所を特定できます。
2. エアツールの空気消費量が多すぎる
使用しているエアツールの空気消費量が、コンプレッサーの吐出空気量を上回っているケースです。これは故障ではなく、単純にコンプレッサーの能力不足が原因です。特にインパクトレンチやエアサンダーなど、連続して大量の空気を消費するツールを使うと発生しやすくなります。
3. 吸い込みフィルターの目詰まり
コンプレッサーは周囲の空気を取り込んで圧縮しますが、その吸い込み口にはホコリなどを防ぐためのフィルターが付いています。このフィルターが目詰まりすると、空気を効率的に取り込めなくなり、圧力の上昇が遅くなります。定期的な清掃や交換が必要です。
4. 内部部品の摩耗・故障
長年使用していると、ピストンリングなどの内部部品が摩耗して圧縮効率が低下することがあります。この場合は専門的な修理が必要になるため、メーカーや販売店に相談することをお勧めします。
豆知識:ドレン抜きも忘れずに
圧縮空気を作る過程で、空気中の水分が凝縮してタンク内に水(ドレン)が溜まります。このドレンを定期的に抜かないと、タンク内部のサビの原因となり、タンク容量が実質的に減少して圧力低下につながることもあります。使い終わったらドレンコックから水を抜く習慣をつけましょう。
連続作業で重要になるタンク容量の選び方
エアコンプレッサーの「タンク容量」は、作業の快適性を左右する非常に重要なスペックです。タンクは圧縮空気を貯めておくためのもので、容量が大きいほど一度に多くの空気をストックできます。
これにより、モーターが停止した状態でも長時間エアツールを使い続けることができ、モーターの再起動頻度を減らすことができます。つまり、連続して作業を行いたい場合は、タンク容量の大きいモデルを選ぶのが正解です。

以下に、用途別のタンク容量の目安をまとめました。
タンク容量 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|
~10L | ・エアブラシ塗装 ・ボールなどの空気入れ ・ホビー用途 | 小型・軽量で持ち運びやすい。 断続的な短時間作業向け。 |
10L~25L | ・エアダスターでの清掃 ・エアタッカーでの木工 | 携帯性と作業性のバランスが良い。 一般的なDIY作業に対応。 |
30L~ | ・インパクトレンチでのタイヤ交換 ・スプレーガンでの塗装 ・サンダーでの研磨作業 | 連続作業やパワーのいる作業に最適。 本格的な作業向けだが、本体は大きく重くなる。 |
タンク容量と携帯性のトレードオフ
タンク容量が大きくなるほど、当然ながらコンプレッサー本体のサイズや重量も増していきます。頻繁に持ち運んで使用する場合は、作業内容と携帯性のバランスを考えて、25L前後までを目安に選ぶと良いでしょう。
住宅街で使うなら静音モデルを選ぼう
エアコンプレッサーを選ぶ上で見落としがちですが、非常に重要なのが「作動音」です。特に住宅街や集合住宅のベランダなどで使用する場合、騒音は近隣トラブルの元になりかねません。
一般的なエアコンプレッサーの作動音は80dB(デシベル)を超えることもあり、これは「走行中の電車内」や「騒々しい工場内」に相当するレベルです。これでは、日中の屋外であっても使用をためらってしまいます。

そこで注目したいのが「静音モデル」です。
静音モデルは、モーターの回転数を抑えたり、特殊なピストン方式を採用したりすることで、作動音を大幅に低減しています。製品にもよりますが、その騒音値はおおむね60dB~65dB程度に抑えられています。
65dBは「普通の会話」や「デパートの店内」程度の騒音レベルであり、これなら住宅街でも比較的安心して使用できます。
ポイント
価格は標準モデルより少し高くなる傾向にありますが、作業環境や時間帯を気にせず使いたいのであれば、静音モデルは非常に価値のある選択肢です。特に夜間や早朝に作業する可能性がある方は、静音タイプを強くおすすめします。
DIYで人気!オイルレスモデルの特徴
現在、家庭用やDIY向けのエアコンプレッサー市場では「オイルレス(オイルフリー)モデル」が主流となっています。その名の通り、内部の潤滑にオイルを必要としないタイプのコンプレッサーです。
オイルレスモデルがDIYユーザーから絶大な支持を得ている理由は、その手軽さにあります。

オイルレスモデルのメリット
- メンテナンスが非常に楽: 面倒なオイル交換や残量チェックが一切不要です。購入してすぐに使え、日々の手間がかかりません。
- クリーンなエアを供給: 吐出する空気にオイルが混じらないため、塗装作業や精密機器の清掃など、油分を嫌う用途に最適です。
- 横置き運搬が可能: オイル漏れの心配がないため、車で運搬する際に横に倒して積むこともできます。
一方で、いくつかの注意点も存在します。
オイルレスモデルのデメリット
- 耐久性: 常にオイルで潤滑されている給油式に比べると、一般的にピストンなどの摩耗が早く、寿命が短い傾向にあります。
- 作動音: 給油式に比べて作動音が大きくなるモデルが多いです。(ただし、前述の「静音モデル」はこの限りではありません)
プロは給油式?
毎日長時間、ハードな使い方をする整備工場などでは、耐久性の高い給油式が選ばれることが多いです。しかし、週末のDIYなど使用頻度が限られる用途であれば、オイルレスモデルの耐久性でも十分と言えるでしょう。
まとめ:最適なエアコンプレッサー・0.8MPaを選ぼう
この記事では、エア コンプレッサー 0.8 MPaの選び方について、圧力の基本から用途別のポイント、注意点までを解説しました。最適な一台を選ぶために、以下のポイントを参考に最終確認をしてみてください。
- MPaは圧力の単位で0.8MPaは約8.2kgf/cm²に相当する
- 0.8MPaは一般的なDIY作業やタイヤの空気入れには十分な圧力
- エアツールの使用圧力を必ず確認しレギュレーターで調整する
- インパクトレンチを使うならタンク容量30L以上が快適
- 塗装作業にはオイルが混じらないオイルフリー式が必須
- 圧力が低下する主な原因はエア漏れやフィルターの目詰まり
- 連続作業が多いならタンク容量の大きいモデルを選ぶ
- タンク容量と本体の重量・サイズはトレードオフの関係にある
- 住宅街で使うなら騒音値65dB以下の静音モデルを検討する
- DIY用途ではメンテナンスが楽なオイルレスモデルが主流
- オイルレス式は給油式に比べ耐久性で劣る場合がある
- 使用後はタンク内のドレン(水)を抜く習慣をつける
- 自分の主な用途を明確にすることが失敗しないコツ
- 圧力・タンク容量・馬力・静音性・駆動方式のバランスで選ぶ
- この記事を参考にあなたに最適な0.8MPaコンプレッサーを見つけよう